静岡の原発は広域に害を及ぼしていた: ずくなしの冷や水

2016年11月22日

静岡の原発は広域に害を及ぼしていた

この記事は、有償配信記事で検討した結果を掲載します。特に公益性が高いと判断しました。

まず、次の記事をお読みください。読みやすく書きましたが深刻な問題を扱っています。
2016年11月22日
MPの値が原発のある隣県より高い県はこうすれば問題解決

もう一つ、東日本と西日本の長期的な死亡数の変化に注目してください。縦軸が2011/3です。福島第一原発事故後よりその前、特に2010年の死亡数の伸びが高くなっています。

注:死亡数の東西日本別の12ヶ月移動平均の指数
東日本:北海道、岩手、宮城、東京を除く14県。西日本:左以外の33都道府県から岩手、宮城、東京を除き北海道を加えた30道府県。(岩手、宮城、東京は東にも西にも入れていない) 12ヶ月移動平均について、2005/12以前1年間の12ヶ月平均=1とした指数。 横軸は2005/12から2015/8、縦軸の交点が2011/3。


管理人の問題意識は、なぜ2010年に死亡数が大きく伸びたのか、です。

この問題を検討するに当たり、管理人は地震でも何でも原因の発生した場所に最も大きな変化が現れるという原則を指針としました。

以下が結果です。

次のグラフは、厚生労働省全国人口動態統計速報の結果を使い、各都道府県の死亡数の変化を指数化して比較したものです。期間は2008/9から2010/12まで、2007年の年間月当り死亡数平均を1と置き、対象期間の各月の12ヶ月移動平均を指数で示しています。

2010/12時点の指数の伸び率は、高い順に静岡県 1.134、山梨県 1.130、神奈川県 1.115、群馬県 1.114、大阪府 1.114、岡山県 1.113、千葉県 1.112、埼玉県 1.108、茨城県 1.103、長崎県 1.101、徳島県 1.099、愛知県 1.099、三重県 1.098、滋賀県 1.095、栃木県 1.092となりました。
このほかに高いところで沖縄県 1.109がありますが、沖縄県の死亡数の動向は独自の動きを示していますから除外しています。

静岡を筆頭に高いものの順に番号を振ると次の図になります。

長崎県、岡山県、徳島県、大阪府の伸び率が高い原因は良く分かりません。滋賀県、三重県、愛知県は、何か共通の要因がありそうです。その他の県は、最高値を示した静岡県の北または東に位置しています。

関東と静岡、山梨を取り出すと次のように途中経過の動きが似ています。


西寄りの風が吹けば静岡の大気は東に流れます。東からの風が吹けば愛知や三重に流れます。2010年の死亡数が大きく増加したのは、静岡からなんらかの有害物質が飛散したからではないでしょうか。

そのような有害物質の候補のひとつが放射性物質です。上で高い伸びを示した都県と静岡の空間線量率の変化を比較します。

まず、茅ヶ崎、新宿と比較します。


連動性ありと判断します。なお、静岡のグラフで黄色の楕円で囲った箇所は、福島第一原発事故後、他県とは異なり一時空間線量率が低下せずに上昇したことを示しています。

さらに、環境放射線データベースから東京、神奈川、茨城、静岡、愛知、岐阜の2009年度から2011年度までの日別の最大値、平均値、最小値を取り出して検討しました。

データベースから取り出した数値そのものでは日別の変動が大きくてよく分かりません。モニタリングポストごとに線量率の水準も異なります。

そこで日別最大値について、2009/4/1から2010/12/31までの期間の平均値を算出し、日々の値をこれで除して指数で表示させました。これなら異なる地点の変動を比較することが可能になります。

2010/12、12/8には静岡の測定値が平均の2倍に達しています。茅ヶ崎は2倍以上、東京も2倍です。茨城まで高くなっています。


夏は、特に遠方まで影響を及ぼしています。


このように、静岡(モニタリングポストは静岡市葵区に所在)の線量率が大きく上がると、それよりも東にある神奈川、東京、さらには関東一円の空間線量率が上昇することがしばしば見られます。

これは静岡市にあるMPが大気中の放射性物質濃度の上昇を検知したためであり、その放出源は静岡県内の原発であると考えるのが合理的です。

ときには、西側にある愛知や三重のMPの値も上がっています。これら二県のMPは若狭湾や能登半島にある原発の放出した放射性物質を検出して空間線量率の上昇を示すことがありますが、上のグラフでは静岡の上昇と時を同じくして上昇していることもあり、静岡県内にある原発の放出する放射性物質を検出していると見られます。

以上のところから、管理人は、2010年の死亡者数の増加の原因の一つは、静岡県内にある原発から放出された放射性物質だと考えています。

原発は運転中も、点検などで停止中も放射性物質を放出します。



原発の再稼動が続きます。すでに私達は、福島第一原発事故で大きく被爆しました。この先、さらに被曝が積み重なると、体調悪化や深刻な疾病を発症する例が増えることは避けられません。

2010年には悪性新生物や呼吸器系の疾患で亡くなる方が増えました。
厚生労働省人口動態月報(概数)から 死因別死亡数の推移




2015年の死因別死亡数を見ても、被爆の影響を読み取ることは容易です。
人口動態統計月報(概数)(平成27年12月分(年計を含む))から


国は原発再稼動の動きを止めていません。

これまでのところ、高齢層を中心に死亡率が上がっていますが、これからは若い方についても死亡率の上昇が懸念されます。

福島第一原発事故により生じた汚染、今なお続く放射性物質の放出、さらに原発再稼動の動向などについて、注意が怠れません。
posted by ZUKUNASHI at 13:17| Comment(2) | 福島原発事故
この記事へのコメント
私たちは、福島第一原発のレベル7のはっきり目に見える事故で、原発に目を向けるようになりましたが、
それ以前から、放射能漏れ事故が起こっていたと言うことですね。
目に見えない、臭いもしない、味もしないと言う人間の五感ではとらえるのが難しい放射能の性質を利用して、誤魔化されていたことを、ずくなし様の研究ではっきり突きつけられました。
津波がなくても、電源喪失がなくても、放射能お漏らしがあると。
貴重な研究の公開ありがとうございます。
Posted by い at 2016年11月23日 12:34
いさん コメントありがとうございます。
分かっていただける方がおられることが、何よりも励みになります。
Posted by ずくなし at 2016年11月23日 12:53
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