管理人は、中東のこと、イラクのことについては知識がありませんでしたが、ISISがイラク、シリア国内でシミが広がるように支配地域を拡大し、シリア政府側がコーナーに追い詰められた段階でロシアがシリアの空爆に参加した2015/9/30からシリア、イラク情勢を追ってきました。
シリア、イラクの政府軍とこれに協力する民衆軍が勢いを取り戻し、ISISをはじめとするテロリスト勢力を圧倒する状況にようやく到達しています。
戦況を見ていると、テロリストと政府軍との地上戦では、狙撃銃から機関銃、重機関銃、迫撃砲、ロケット弾、地雷、手投げ弾と、ありとあらゆる在来兵器が使われています。
テロリストの支配地域での地上戦は、どっちから襲ってくるかも分からず、使用される攻撃兵器も多様ですから大変怖いものだと思います。
2016/3には、現地視察でラタキアの北部を訪れたジャーナリストの一団がアルヌスラの砲撃を受け、命からがら逃げ出しています。
2016年03月03日
これが戦争です ジャーナリストが「こけつまろびつ」逃げました

現地の地理、地形に疎い
現地の習俗を知らない
アラビア語が読めない
攻撃されたときの兵器の種類、射程などを知らない
それでは武器を持っていても身を守ることは困難です。
そんなことを考えつつ、イラクに派遣された自衛隊員の方は大変怖い思いをしたのではないかと思い至ります。
気候条件が日本とは全然異なります。
道路は右側通行。
それまでの戦闘の経緯も知りません。
駐屯した地域の戦闘の現状も詳しくは知らされなかったのではないでしょうか。
そして、任務は米軍の下働きです。指揮者は米軍とコミュニケートできる英語能力を持っていたでしょうが、一般の隊員がすべて英語に堪能だったとは思えません。
そんな中で、自動車の運転をしたり、荷物を運んだりしていたはずです。
自衛隊の駐屯地に迫撃砲が打ち込まれたこともあったようです。
約2万人の自衛隊員がイラクに派遣されています。交代で現地入りしていますから、現地の状況に少しは慣れた頃には帰国です。率直に言って、いわば肝試し、実戦体験という意味合いが強かったのではないでしょうか。
ですが、大義名分も乏しい戦争の現場に、必然性もなく派遣され、生命の危険だけを感じさせられたら精神的なストレスは極めて大きかったのではないでしょうか。
なぜこんなに自殺者が出るのか、と不思議に感じましたが無理からぬことのようにも思えます。そして戦死者なしとされていますが、米軍の後方支援業務をしていてそんなことはありえないことです。そんなに安全なら現地事情に詳しい民間人を雇えば済みます。
クエートの米軍基地内でのマラソン大会に出場した方が米民間軍事会社のバスに追突され、後遺症に苦しむ例も伝えられています。
国に裏切られた元イラク派遣自衛官が警告−安倍政権「集団的自衛権の行使」の行く先にあるもの
「もう、何度も死のうか、と思いました。でも、私のような経験をする自衛官をこれ以上出してはいけない。国に対して責任を認めさせなければ、死んでも死にきれない…!」
元イラク派遣航空自衛隊員の池田頼将さんは、そう静かに、だが固い決意を込めて語った。池田さんは’06年7月、イラク派遣部隊の一員として、イラク隣国クウェートの基地に滞在中、米軍関係車両にはねられた。だが、事件は隠蔽され、池田さんはまともな治療を受けられないまま帰国すら許されなかった。そのために、池田さんには重い後遺症が残ってしまった。今、安倍政権は、米国等との共同軍事行動を可能とするべく、「集団的自衛権の行使」の解禁を目指している。その先にあるものは、米国の戦争に日本も巻き込まれ、池田さんのような自衛官を何人も出すことになるという、平和国家としての終焉ではないか。

・・・引用終わり・・・
とにかく、戦争参加志向のアヘ政権はなんとしてでも早く倒さなければなりません。国民にますます多くの災厄を押し付けるだけの狂気の政権です。
ここで観点を変えます。管理人は福島第一原発事故による日本国内の放射性物質汚染を自分なりに調べてきました。その結果、日本国内がセシウムなどによるほかウランによっても強く汚染されていることに強い懸念を持っています。
ウランは半減期が長く、次々に崩壊しては系列の子孫核種を生み出します。ウランとその子孫核種は、甲状腺の異常にも影響しますし、白血病やその他のがんの原因になるとの見解があります。管理人もウランは極めて危険で厄介な放射性物質であると認識しています。
イラク戦争で、米国が劣化ウラン弾を大量に使用したことはご存知でしょう。劣化ウラン弾は、戦車に命中したときには燃焼し微粉末となって飛散するとされています。一説には、欧州にもそれによる劣化ウラン微粒子が飛んできていると説もあります。
自衛隊員がイラクに駐留していたとき、盛んに劣化ウラン弾が使われていました。
※ neko-aii @neko_aii 氏の2016/6/21のツイート
nosaibaninko
鎌仲ひとみさんの話:
<イラク>
砂漠で劣化ウラン弾そのものを
みつけて計ったら3.37μsv/h
<福島>
会津若松の土の表面は2.22μsv/h
上映会場の軒下は8.8μsv/h
郡山のグランドの
表面を剥いだ土は3.38μsv/h
このツイートに掲げられたデータは、測定に使われた器械、測定方法などが不明ですから比較はできません。ですが、ウラン238を主体とする劣化ウラン弾が使われた地域では、ウラン238による放射能汚染が強くなることは分かります。
※ Soylamadredeoso @soylamadredeoso 氏の2015/10/11のツイート
ルーマニアの隣にはセルビアという国がありますが、セルビア人の知人の話だと、コソボ紛争の際、劣化ウラン弾を大量に落とされ、その土地で採れた作物を食べ続けたせいで、いま甲状腺異常の人が増えてきているとのことでした。
※ plethysmogram @plethysmogram11 氏の2016/3/9のツイート
各種のヨウ素の吸気被曝で甲状腺癌になるのは、当たり前だが、セシウムだって甲状腺に溜まる。そして、ウラン238(劣化ウラン)で汚染された土地でも甲状腺癌が発生している(伊・サルディーニャ島南東部)。放射性ヨウ素だけに焦点を当てても意味がない。東京にウラン238が降ってきたんだよ。
※ Fibrodysplasia @Fibrodysplasia 氏の2015/10/13のツイート
イタリア・サルディーニャ島における劣化ウラン弾(U238)使用によるクイッラ(Quirra)症候群。白血病は当然として甲状腺がんも増えている。つまり「ウラン238」も甲状腺がんの原因だ。セシウムやヨウ素を排除しても、ウランで甲状腺癌 http://warisacrime.org/downloads/sardinia.pdf …
朝日2001/1/5
劣化ウラン弾への懸念拡大 帰還兵の白血病で
バルカン半島で北大西洋条約機構(NATO)軍が使った劣化ウラン弾による健康被害への懸念が、兵士6人が白血病で死亡したイタリアの事例をきっかけに、欧州同盟国に広がっている。因果関係を否定しているNATOも、この問題を来週にも討議し、対応を協議する方針だ。
・・・引用終わり・・・
劣化ウラン弾が使用された地域での劣化ウランの害が激しいことは分かってもらえるでしょう。
ここから本題です。イラクに派遣された自衛隊員の方にとっては、福島第一原発事故が二度目の被曝機会ということになります。
被曝の回数が重なると、次第に身体の反応が強くなるという現象があります。ウランの吸気被曝もおそらく同じと見られます。日本国内では、ウラン238の土壌濃度は測定データが乏しいので確たることは言えませんが、福島第一原発事故によってウラン238などが飛散し、沈着していることは間違いありません。
そのように考えると、イラクに派遣された自衛隊員の中には、福島第一原発事故後、著しく体調を悪化させたり、深刻な疾病を発症した方もおられるのではないかと強く危惧しています。どうぞ、気をつけていただくようお願いします。管理人の懸念がまったくの杞憂に終わることを願っています。
(初出 2016/6/22)
さて、今回のテーマに関して、知人にかつて防衛医大に勤務していたものがいまして、イラクに派遣された自衛隊員の方は被曝の検査をさせてもらえなかった旨話していました。管理人さんの懸念は杞憂ではないと思います。