ベータ線源、アルファ線源にどう気をつけるか: ずくなしの冷や水

2016年06月05日

ベータ線源、アルファ線源にどう気をつけるか

2016/6/5に「成人男子がチェルノブイリ事故前にウランが原因と見られる甲状腺がんを6時間かけて摘出手術」に寄せられたコメントを掲載し、管理人の考えを記す。

「その出逢った方のこれから更に酷い事になるという想定は、我々に身をもって警告してくれている様に思います。
 ただガンマ線ならまだしも、ベータ線やアルファ線を正確に計測なんて、我々一般人にはほぼ不可能です。やれる事をやるしかないのですが、311後に産まれて来た人には、多少なりとも耐放射性に強い躰で産まれて来てて欲しい。 はかない願望ですが、そう考えないと最近やりきれない自分がおります。
 子を持つ親として、人類が生存して往くのに、まさかここまでの事を考え生きていかなければならない時代が来るとは、夢にも思っていませんでした。」

・・・引用終わり・・・

冒頭に引用した記事は、このブログとしては、何年に1回あるかないかのスクープだと管理人は考えていますが、見出しだけで内容を理解する人が多いと見え、アクセスが極端に少ないです。

見出しだけで事の重要性、深刻さを理解できるのであれば、なかなかの勉強の成果だと思いますが・・・。

管理人は、一歩一歩自分の疑問を解いていく過程で、核燃料の圧倒的割合を占めるウラン238、235が粉砕、溶融して飛散したと考え、その影響は恐ろしいと考えるに至りました。

市原の劣化ウランの燃焼、飛散については言及する方がおられるのに、福島第一原発の燃料棒に含まれるウランについては、その飛散がもたらす影響について言及する人はほとんどいません。

ウランの飛散が大問題と明言しているのは、バズビー博士とガンダーセン氏くらいでしょうか。日本人の専門家が触れないのは、恐ろしすぎるからだと気付くに至りました。

日本人の専門家の中にも米国土壌調査の中でウラン232が70ベクレル/kg程度検出されたことを警告した人はおられます。その後の発信等は知りません。

管理人が今悩んでいるのは、アルファ線源、ベータ線源の所在、汚染状況が皆目見当がつかないことです。「ベータ線やアルファ線を正確に計測なんて、我々一般人にはほぼ不可能です」とお書きになっておられますが、そのとおりですし、専門家でも容易でないはずです。

ただ、私達がアルファ線源、ベータ線源からの防護を図ろうとする場合、正確な数値は必要なく、米国土壌調査で検出されたレベルを基準としてそれとの比較で地域ごとの汚染水準を判断すれば足りると考えています。

方法としては、次の手法を検討したことはあります。
@ アルファ線測定用の専用機を導入する。これは何種類かあるようですが、70万円ほどもする高価な機械です。富士電機の半導体表面汚染計NHJ2 これはベータ線も測れます。

でも、アルファ線、ベータ線測定器は、測定対象から5mm程度にまで近づけて測定しないとならないためにかがみこむことが大変で、例えば住まいの周りを一通り測定するだけでも大変な労力ではないかと見られます。

なお、この機械を実際に使用している企業があるようで、子どもを放射能からまもる会in千葉のサイトには、「SWRの計測チームが市川市じゅん菜緑地で測定したマイクロスポットでは8.1〜11.5Bq/cm2という放射線管理区域以上の高汚染部分があり行政に通報したそうです」との記述があります。これはベータ線に関するもののようです。

放射線管理区域の設定基準は、表面汚染密度(α線を放出するもの:4Bq/cm2、α線を放出しないもの:40Bq/cm2)の10分の1以下を超える場所が電離放射線障害防止規則による管理区域。

A 次は、米国土壌調査の結果から取ったものですが、アルファ線の数はベータ線やガンマ線に比べて格段に少ないのです。横須賀市を例にとると、全アルファ154.7ベクレル/kg、サンプル採取面積は10cm四方、重量55.2gですからcm2当りでは、0.085ベクレル/cm2になります。



100cm2で8.54ベクレルになります。米国がどのように測ったかは分かりませんが、私達が高価な測定器で測っても検出率はおそらく格差があり、短時間ではこれだけの崩壊数を検出できないのではないかと思います。土壌を採取して屋内で計測することになれば、汚染も生じます。

B アルファ線を直接測定するのではなくとも、アルファ線を出すウラン系列の子孫核種が出すガンマ線を把握できれば、その系列の核種の崩壊数の推定がつきます。この場合に使われるのがガンマ線のスペクトロ分析でビスマスをカウントします。

比較的安価な器具でもスペクトロ分析ができるものがあるようですが、遮蔽などの設備にカネがかかるようで、導入と実行に二の足を踏まざるをえません。

C 上の表で分かりますが、楢葉町などを除くとアルファ線とベータ線の比は、汚染が相対的に少ないところで1対4程度になっています。ベータ線はアルファ線よりも飛程が格段に長いので、ベータ線を現地測定することによりベータ線の数を把握し、その地域差でアルファ線の本数をおおまかに推定できるのかどうかが次の問題です。

ベータ線もそのエネルギーは様々で、セシウムの出すベータ線は感度の良い器械でないと検出率がごくわずかになるようです。ウランの系列核種の出すベータ線のエネルギーがどの程度でどの検出率になるのかを調べて見ないといけません。

D 今回正確に面積当り密度を計算してみて分かりましたが、グロスアルファは、米国土壌調査にデータがあるものについて言えば、福島第一原発から離れるほど密度が低いと言うことはできそうです。



やはり吸わないためには遠くに逃げるしかない、ということになりましょうし、近くで採れたものは食さない、この原則が当てはまります。
posted by ZUKUNASHI at 17:22| Comment(1) | 福島原発事故
この記事へのコメント
ずくなし様御丁寧な解説、ありがとうございました。地域の範囲等、参考にさせて頂きます。

世には既に高価な機器を導入して、子供達の未来の為に日夜頑張っていらっしゃる団体もあるのですね。

1986年の頃対岸の火事と思っていましたが、遅くに一児の親となった現在、今更ながら当時の不勉強を悔いています。
残りの人生どこまで子供を守れるか、日々格闘中です。
Posted by 閻魔の弟子 at 2016年06月06日 07:47
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