原発推進派はセシウム133、135に気付いてほしくない: ずくなしの冷や水

2016年03月09日

原発推進派はセシウム133、135に気付いてほしくない

福島第一原発事故により環境に放出された放射性物質のいろいろについては、あちこち参照しなければならず、面倒なのと頭が混乱するので最近はあまり取り上げていない。だが、この問題を取り上げる論者もおられてとても心強い。

筆者は、かねてからキセノン133が崩壊した後にできる非放射性のセシウムの危険性を指摘してきたが、この問題は原発推進派にとってはとても不快なものらしい。スパムコメントの出方を見てそう感じている。

最新時点でもう一度、整理をかねて取り上げる。

まず基礎データから
キセノン133(半減期5.248日、ベータ崩壊)→ セシウム133(非放射性) 

テルル135→キセノン135
ヨウ素135(半減期6時間)→キセノン135
キセノン135(半減期9.2時間、ベータ崩壊)→ セシウム135(半減期230万年) 

キセノン136→?

検索していたら、とても出来のよい説明を見つけた。
Yahoo知恵袋 放射性セシウム135の半減期
「同じ量のセシウム137(半減期30年)とセシウム135(半減期230万年)があったとする。それぞれ、半分の量になるのに必要な放射性崩壊の「回数」は変わらないが、それにかかる「時間」はセシウム137が30年、セシウム135は230万年になる。つまりセシウム137が30年間に出す放射線を、セシウム135は230万年かけて放出する。逆に言えば、仮に内部被曝しても人間の一生の間にセシウム135が出す放射線の量はセシウム137に比べれば無視できるほど小さいってこと。」

これは「無視できる」としている点を除き、正しい記述だと思う。管理人は、セシウムが心臓の機能停止をもたらす恐れがあるから、放射性であろうとなかろうと、放射線の時間当たりの量が多かろうと少なかろうと、セシウムは人間の健康に悪影響があると考える。

セシウム137とセシウム135を質量として同じ量「内部被曝」した場合、人の一生のような長い時間で考えた場合、セシウム137は崩壊してバリウムに変わっていくが、セシウム135はほとんど崩壊せずにセシウムのまま残る。心筋に対する化学特性としての悪影響という面では、セシウム135のほうが大きくなる。

セシウム133も化学特性は同じ。これは放射線を出さないのでどこにたくさんあるか測定することはまず無理。

次は桑ちゃん氏のツイートに付されていた表。CTBT高崎のデータ。



ヨウ素135が赤枠で囲ってあるが、これは370ベクレル/m3という極めて大きい値だ。半減期6時間でキセノン135に変わり、半減期9.2時間でセシウム135に変わる。ベクレル数ではヨウ素131の約25倍だ。

ヨウ素135(6.57時間)→キセノン135(9.12時間)→セシウム135(230万年)→バリウム135(安定)

セシウムになるまでの半減期が短いから、キセノンは気体でもセシウムになったときにどんな状態かは分からない。キセノンが気体だからそれからできたセシウムまで沈着しないで拡散するとは言い切れない。

CTBT高崎のデータで、2011/3/15、15:55から翌3/16 15:55のまでの間だけヨウ素135が検出されているが、これは福島第一原発からヨウ素135が大量に放出されたのが、2011/3/14から3/15にかけてであることを示している。3/14 15:55から3/15 15:55までの24時間のデータは計画停電によって収集を妨害されている。

ヨウ素135の半減期は6.57時間だから、24時間経過すればわずか8%しか残らない。このヨウ素135が3号機の爆発に伴って放出されたものだとすれば、2011/3/14の11時から3/16の15:55までに約29時間経過、0.4%しか残っていないはずなのにこの濃度を示している。

そもそも、このヨウ素135の大量検出こそが、3号機の爆発が核爆発であったことの証と見る向きもある。

また、キセノンが拡散して希薄化するという主張は単純すぎる。次のシミュレーション図は、キセノン133についてのものだが、気体でもそんなに拡散していない。濃い部分は濃いままだ。



セシウム134の半減期は約2年だから丸5年で約18%に減衰している。だが、半減期30年のセシウム137はまだ11%しか減っていない。

民間の測定は特にそうだが、政府が測定、公表している「放射能」はほぼすべてがガンマ線を測定したものだ。

ベータ線を出すセシウム135の放射能は測定されていないし、福島第一原発事故で環境に放出された放射性物質の中で最大の量を占めるウランはガンマ線では測定が困難だ。ストロンチウムもベータ線だ。

福島第一原発事故によって何百種類もの放射性物質が放出され、それが次々に変化している。ガンマ線を出さなければないものとして扱われる。

だが、それだけを見て「放射能」が減ったと判断するのは間違いだ。それに放射性物質の多くは重金属として人体に害を及ぼす。

日本の放射能禍は、半永久的に続く。日本人の健康にどこまで悪影響を及ぼすかは計り知れない。それを計れるのは、誠に残念なことに、人々の疾病発症や出生減や死亡増の統計だけだ。
posted by ZUKUNASHI at 13:11| Comment(0) | 福島原発事故
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