
ドングリの採取年度は2014年度とあるから2014年の秋に成ったもの。
上の調査結果での最高値は、船橋県民公園の127Bq/kg(セシウム134、137計)。これに次ぐのが柏市の柏の葉公園126Bq/kg。わずかの差で県民の森がトップになったが、これは少々意外だった。規制委員会の空中測定マップから見ても、船橋県民の森辺りの汚染度は柏市とは大きな差がある。
ただ、県民の森の北には船橋市の北部清掃工場があり、管理人の現地調査の結果では、その周辺は線量率が高いので、県民の森の一部の地域では特に汚染度が高いところがあるのかもしれない。
そこで、県民の森を除外してみると、柏の葉公園がダントツの一位、二位がみさと公園。ここは水元公園の沼を挟んだ東側だ。この近くでは、水元公園と松戸市の21世紀の森と広場のサンプルがあり、ともに30Bq/kg台の半ば。
同じ緯度で東に行くと大津ケ丘公園、松虫姫公園が30Bq/kgを少し超えた程度で違和感はない。
水元公園から南に下がると、葛西臨海公園まで20Bq/kg程度と少し低くなっており、これも違和感がない。
一方、船橋市から千葉市にかけては少々意外感がある。海岸に近いところは線量率も低くなっており、数Bq/kgはありうると思う。ただ、稲毛区とあるサンプルが少し高く24Bq/kg、それに泉自然公園のサンプルが13Bq/kgでこれも周辺に比べて少し高いように感ずる。
千葉県北部に関しては、北総開発鉄道を境に北が高め、南が低目となっており、東葛をピークとして南東方向に線量率が低下する傾向があるが、相対的に線量率が低いところでも、中には高めの場所もあるという現地調査の結果と整合しているとも言える。
そして、ドングリの木の種類、生えている場所によってもセシウムの蓄積度合いは異なるだろうから、線量率の高低とは必ずしも一致しない。
柏の葉公園と千葉市南部とでは、土壌中のセシウム濃度以上に差がついているように見える。生物濃縮の結果でそうなるということだろう。
とてもおもしろい結果だ。ドングリは食用に市販されていないが、他の農産物でもこのような差がありうるだろうし、「千葉県産」でひとくくりにされたら、柏の葉公園の近くで取れたのか、印西市で取れたのかは消費者には判別のしようがない。