NOAAのキセノン拡散シミュレーションは推定対象時間が短く残念ですが、シミュレーションの精度は随一と考えています。
次は、2011/3/15正午時点の推定図です。赤い枠で囲んだ東京都が東側に少々進出しています。

これと人口動態統計が良くない地域を比較すると、整合性があるように見えます。

問題は、プルームの放射性物質濃度が高いところが通ったかどうかです。立米当たり5万ベクレル超の範囲を残してみます。
日本時間2011/3/15午前10時〜11時

このくらいの濃度のプルームが何時頃襲来したかを知れば、そのときの生活行動により吸気被曝の多寡が推定できます。
@ 次の動画を呼び出します。全画面表示にして再生し、読者のお住まいだった場所に印を付けます。セロテープやシールを小さくちぎって貼ります。
Fukushima Xe-133 Air Concentration (NOAA Air Resou
A 再生します。緑から黄色、赤に至る部分に注目します。1時間ごとにどの部分が住所地にかかっていたか確認します。
B 時刻表示はUTCですから、これに9時間を加えると日本時間です。UTCで2011/3/14 20時は、日本時間2011/3/15 午前5時になります。
C 各時間帯について家族各人の生活行動を思い起こします。外出していればそのプルームを吸い込んでいます。就寝時間帯であれば屋内の濃度は低いので吸気被曝は相対的に少なくなります。
千葉市を例にとって見ます。3/15午前3時プルーム到達、午前5時には比較的薄い部分が通り過ぎました。その後は東風に押されてプルームは西に流されます。その後3/16の午前3時頃に北からプルームが流れてきますが、特に濃い部分の直撃は免れました。
3/15から3/16にかけて屋内にいて換気も止めていた場合には、吸気被曝はわずかで済んだものと見られます。日中外出してもプルームが襲来した未明に屋内にいればやはり吸気被曝は少なくて済んだでしょう。
3/15には不幸中の幸いだったのですが、例にあげた千葉市は、2011/3/21にまたプルームが襲来しています。この際のNOAAのシミュレーションはありません。