管理人は、セシウムが水酸化物になって強い塩基性の物質になることは間違いないと思います。ただ、セシウムの濃度は全体としては低いはずなので、水酸化ナトリウムの濃度計でそんなに高い値が出るのかと驚きました。
セシウム134、137は減衰しています。ですが、環境にばら撒かれたセシウム全体としてはそれほど減っていないのです。
次の表は左側に当初降下した放射性物質、その半減期、崩壊後の核種、研究機関による在庫量推定値です。

この表で最下欄にキセノン133とセシウム134の比を掲げています。二つの機関の推定値ともに約200倍です。
2011/3/15にキセノン133の大半が環境に出たと仮定すれば、キセノン133の半減期は約5.2日ですから15日も経過すれば、8分の7がセシウム133になります。2011/3末には、200倍あるキセノン133の8分の7がセシウム133になったわけです。
セシウム133は放射性ではありませんが、化学的特性は放射性であろうとなかろうと同じです。心筋に作用してその脈動を狂わす作用は同じです。
同時に、セシウム133は、空気中の水分と反応して 水酸化セシウムになり、うささんが観察したような結果をもたらします。
放射性セシウムが1億分の1gしかないと思っていたのに、実は50万分の1gもあったということです。しかも、それが場所、計測対象物によっては濃縮されていることもあるわけで、濃度計で検出できても何もおかしくありません。
今もなお急死事例が続いており、セシウム134は4分の1以下に、セシウム137も相応に減っているはずなのに、なぜ急死事例が続くのか、管理人も疑問に思っていましたが、放射線を出さないセシウムが所在不明なまま、飲食物経由で、あるいは呼吸で体内に入っているとすれば、急死事例が高水準で推移することは、ありうることです。
キセノンは気体ですから、それがどう飛んでどう沈着したかは、よく分かりません。ただ、半減期5.2日ですから福島第一原発から東京へ飛ぶ最中にもどんどんセシウムに変わっています。セシウムに変われば何か他の物と化学反応を起こし、大きな分子になって降下しやすくなったでしょう。
次はNOAAによるキセノン133の飛散シミュレーションです。

ソース Fukushima Xe-133 Air Concentration (NOAA Air Resources Laboratory)
全体的に2011/3/15は平地よりも山に近いところで濃度が高かったのですが、その後の日々のシミュレーションには接していません。その後何度もプルームは襲来しています。その都度キセノンも運ばれてきたでしょう。
非放射性のセシウムの所在を確かめる方法はありません。一般人が使えるとしたらうささんがやったように水酸化ナトリウムの濃度計を使う方法が最も現実的で有力なのではないかと考えます。
関東東北の農産物は、セシウム134、137の検査数値が低くなったからと言って決して油断できません。放射能計測器で検出できない非放射性のセシウムが200倍もの濃度で落ちているかもしれないのです。
それ以外に、アルファ線核種、ベータ線核種もあります。
うささんは、怪しげなものは少し食べて反応を見て残りを食べるかどうか決めると書いておられますが、すべての人が同じような鋭敏な感覚を持つわけではありません。真似しないでください。
うささんには、貴殿のご令室のように無理解な夫人に悩み、苦しんでいる年配者は多いことだけお伝えします。これからやり直すのも面倒でしょうから、適当に折り合いをつけるしかありませんね。
福島事故がチェルノブイリ同様にセシウムの影響が大きければ、ウクライナで見られたように20年後における日本人の死因の6割は循環器疾患であると見做しています。
ほとんど測定されていないために影響がはっきりしませんがストロンチウムの影響が強く出れば白血病や糖尿など、それからチェルノブイリではなかったプルトニウムやもウランもあったので未知の領域の影響があるかと思います。
甲状腺癌でも従来注目されているのはヨウ素131ですが、原子炉の使用年数がながかったことと、保管中の使用済み核燃料もあったことから放出量では131より30倍も放出されたヨウ素129の影響が浮上する可能性があるかと思っています。
いずれにしても20年後に突然現れるのでなく中間点の10年後(今から約5年半後)には概略が浮かびあがってくると予測しています。