シリア情勢 24 シリア・ISIS問題で西側諸国に勝ち馬に乗れ現象?: ずくなしの冷や水

2015年11月19日

シリア情勢 24 シリア・ISIS問題で西側諸国に勝ち馬に乗れ現象?

'Everyone Wants to Jump on Moscow's Bandwagon' in Syria

The Western political establishment seems to have changed its mind on Syria: instead of opposing Bashar al-Assad, politicians are increasingly trying to cozy up to "two new world players," Russia and Iran, Il Giornale reported.

The Italian newspaper believes that the era of the self-styled Islamic State will soon come to an end.

"Terrorist attacks in Paris and Beirut show that the caliphate is losing its power in both Syria and Iraq. … These assaults launched in the heart of the two capitals directly involved in anti-ISIL campaigns … are a backlash, an act of revenge before the final surrender," Il Giornale noted, adding that ISIL's support is also waning(衰退している) due to Russia's military intervention.

とうとう上のような論調が出てきました。少し整理しましょう。
@ ロシアの対ISIS軍事力は、装備でも、衛星を駆使したシステムでも、現地での情報収集でも圧倒的な強さを示しており、米、仏の及ぶところではありません。これは、ロシアが戦況の開示に努めたため世界の人が認めざるを得なくなりました。

A ロシアがラッカへの攻撃を強め、ラッカのISIS戦闘員はトルコ国境の町に逃げたり、ロシアが空爆しない民間使用の建物に移動したりしているとのことです。

B ロシアがトラックタンカーを見つけ次第攻撃する方針を取りました。中期的にISISの独自資金源が断たれることを示します。(トラックの運転手は、戦闘機が近づいたらトラックを捨てて砂漠の中でも逃げ出します。ロシア機はトラックだけを攻撃することを知っているからです。米国がトラックの攻撃前にビラを撒いています。逃げた運転手は、次はISISの処罰の手から逃げなければなりません。次々と人が減ります)

米軍か撒いたとされるビラ

RUSSIA INSIDER 2015/11/25
This Is NATO: Turkey Downs Russian Jet While US Gives ISIS 45 Minute Warning Before Bombing Oil Tankers から転載

C ロシアの戦略はよく練られています。デリゾールの橋を破壊してシリア、イラク北部からシリア南部への補給を困難にしています。弾薬の補給基地や指令所、軍需工場をしらみつぶしに叩いて地上戦でシリア政府軍の優勢を確保し、支配地域の奪還、拡大をはかどらせています。

ロシアの空爆の継続に勇気を奮い立てたのはシリア政府軍だけではなく、2015/11/12、クルド人の勢力がイラク北西部にあるSinjarの支配を回復し、Mosulから真西へシリアに伸びる道路の延長はISISの支配が失われました。

D 上のイタリアのメディアが書いているように、パリやベイルートでのテロは、ISISが支配力を失い、敗北する前の最後のあがきの一環が始まったのだと考えられます。

E 筆者が、ISISの形勢不利が決定的になったと考えたのは、英国出身のテロリストMohammed Emwaziが、2015/11/12の米国によるドローンを用いた攻撃によって殺害されたとの情報に接したときです。これまでも、ドローンによる攻撃のチャンスはいくらでもありました。ここに来て殺害が実行されたのは、米英に不都合な事態が生ずる恐れが高まったからだと考えざるを得ません。それはなんでしょう? Mohammed Emwaziが本当に殺害されたかどうかは確認されていないようですが、彼が人前に姿を現すことはもうないでしょう。

F パリの同時テロが偽旗作戦であるとの見方があります。筆者は偽旗作戦だとは考えませんが、少なくとも仏政府の動きには不審な点があります。テロの発生を警告する外国からの情報が入っていたはずなのに仏当局の未然防止の努力は明らかに不足でした。テロ直後からテロリストのアジトを捜索しています。情報は持っていたのです。

G 仏は、テロを受けてISISと戦争だと宣言しています。戦争宣言の前にシリア内で戦闘機が爆撃し、航空母艦の中東派遣を決めています。仏は、「戦争宣言」をしたいなんらかの動機があったのです。ひとつは、主要国としてISIS掃討後のシリアを巡る関係国会議で発言権を確保したかったということでしょうが、その裏にあるものが何かはまだ見えていません。

H 米国のISIS育成に動いた戦争屋たちがどう動いているのか、筆者はまだ情報を得ていません。ただ、プーチンがISISに対する資金提供者の情報を持っていると述べ、びびった者は少なくないはずです。これまでのように資金援助を続ければ、証拠を曝露されるわけですから、おとなしくなります。

I 西欧諸国は、シリアのアサド大統領の退陣を強く主張しています。この要求は、中東産油国から出ていますから、欧州の諸国は彼らとの関係を考えれば、無視するわけにもいかないが、ロシアの言うシリア国民の選択に委ねるべきとの正論には太刀打ちできません。

J その狭間でふらついているのが今の欧州です。フランスとトルコは米国から地上軍派遣を求められましたが、まだ実現していません。一方、イランはイラクとシリアの両方に接し、地上軍を派遣しています。冒頭の記事で勝ち組としてロシアとイランの名が上がっています。米国、英国はイラク戦争に続き、今回も大きく威信を傷つけました。

K 次の決定的なイベントがあるとすれば、バクダーディの殺害です。米国またはISISを支援する国は、バクダーディと連絡が取れるはずです。ひそかにどこかへ逃がすのか、どうするのか。ロシアがバクダーディの殺害に走らず、じっくりと敵を叩いているのは、狸や狐をいぶり出す意図があるのかもしれません。



左端からバクダーディ、マケイン


sputniknews2015/11/19(抄)
Is Russia Main Reason Why Paris Does Not Ask NATO for Help Against ISIL?

"Faced with war, the country must take appropriate action," he added, prompting many to say that the French leader could then invoke Article 5 of the North Atlantic Treaty, which stipulates that an attack on one country should be treated as an attack on all NATO members.

This is not what happened.

French president and Russian leader Vladimir Putin agreed to coordinate anti-ISIL efforts in the region. The two will meet next week in Moscow. Meanwhile, as soon as the flagship of the French Navy reaches its destination, both countries will create a joint work group.

This could be the key reason why Paris refrained from invoking Article 5 of the Washington Treaty, which has only been invoked once in the 66 years since NATO's inception – following the 9/11 attacks in the US.



posted by ZUKUNASHI at 16:50| Comment(0) | 福島原発事故
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