2015年07月23日 長者原は 4年4ヶ月で累積約580ミリシーベルトに夫沢2区地区集会所MPの測定値を掲げた。

このMPは、2012/3/30に稼動開始だ。2012/3/31の線量率26.598μSv/h、4/1が26.156μSv/h。
この測定値から近似式を用いて計算した2011/5/31の線量率推定値は、46.883 μSv/hだ。この線量率がセシウム134と137によるものと仮定すれば、面積当りでは、1,294万 Bq/m^2となる。
もう一つ、セシウムの減衰補正方式で計算すると、2011/5/31には2012/3/31の1.1484倍あったことになるから、26.598μSv/hにこれを乗ずると30.544μSv/hとなる。面積当りでは734万 Bq/m^2となる。
長者原については、さらにもう一つ測定値がある。
2013年06月21日 「原発事故で死んだ人はいない」自民党高市早苗政調会長の妄言 1に掲げた、ブログ大熊町に掲載されている大熊町町内の土壌調査結果。サンプル採取日は、2011年5月25日と見られる。

上の表ですさまじい汚染になっているのが大熊町小入野東平。セシウム134と137の合計で57,786 kBq/m^2、5,778万6千Bq/m^2だったから、上の夫沢2区の高いほうの値1,294万 Bq/m^2の約4.5倍になる。
東平の位置と周辺のMPのピーク線量率。

1平方メートル当りこれだけのセシウムがあると、空間線量率はおおよそ209μSv/hとなる。試料採取時に測定した地表の空間線量率は180.0μSv/hとされており、おおむね見合っている。5時間さらされれば、約1ミリシーベルトだ。
この試料が採取されたのは、2011年の5月25日だから福島第一原発事故後2ヶ月以上も経過している。このときのヨウ素131が 653 kBq/m^2、2011/3/15からカウントしても、71日経過しており、ヨウ素131は70日後には0.00232267に減衰するから、3/15にはヨウ素131が大気中または地表に約2億81百万ベクレルあったと推定される。
しかも、放出初期には、ヨウ素、セシウムともに大半が空気中にあったわけだから、屋外にいた人があれば、これを呼吸によって吸い込み内部被曝している。このような超高濃度のプルームが襲来したときに半日も屋外にいれば、絶命する恐れが強いと思う。
共同通信は2011/03/31 14:02、「2013/3/27に、大熊町で見つかった遺体は、除染が必要な基準の一つである10万cpmまで計ることができる測量計の針が、振り切れる状態だったという。このため福島県警の部隊は遺体の収容を断念している。」と報じている。
2011/3/28のNHKの報道では、次のように述べている。
警察庁によりますと、遺体が見つかったのは、福島第一原子力発電所から5キロ余り離れた大熊町の作業場の敷地で「男性の遺体がある」という通報を受けて、27日、福島県警察本部の機動隊員など15人が防護服で現場に入り、遺体を確認しました。
しかし、遺体からは除染が必要な量の放射性物質が測定されたため、機動隊員らの安全を考慮して、遺体を近くに安置したうえで収容を断念したということです。
福島第一原子力発電所から半径10キロ以内では、警察は原則として遺体の捜索などの活動は行っていませんが、警察庁は「今回のように具体的な情報がある場合は、安全を確保したうえで、10キロ圏内に入ることもある」としています。
警察庁は、原発の周辺では、今後も同じようなケースが起きる可能性があることから、安全性の確保などについて、放射線の専門家の意見を聞いて対応を検討したいとしています。

ネットの情報で大熊町鈴木建築前でも遺体が見つかったと読んだ記憶があるが、ソースが確認できない。上の遺体は、鈴木建築前で見つかったとされるご遺体とは異なるようだ。鈴木建築の近くには写真のような場所は見当たらない。それにF1から5kmとされているから鈴木建築よりさらに南だ。
大熊町で見つかった遺体は、放射能汚染が激しいため、司法解剖もされていない。爪を採取することさえできなかったようだ。それゆえ、死因は特定されていないが、遺体の死因に放射能が関係していないなどということは考えられず、放射能被曝による死亡例と見るのが相当だ。急性被曝死には、現場目撃者はいない。一緒に死ぬからだ。
長者原に戻る。長者原の土壌測定では、セシウム134と137の計で448.1万ベクレル/m^2となっている。この数値は、上で見た夫沢2区地区集会所の2011/5/31時点推定値のうち低いほうの6割強となっている。
さらに、福島第一原発に特に近い場所については、無人ヘリコプターによる空中測定の結果と走行サーベイの結果が参照できる。次は2012/10/20現在の無人ヘリコプターによるモニタリング結果。

赤いところは、セシウム134と137の合計で平米300万ベクレル超。長者原も夫沢2区もこの階層に入る。
長者原または夫沢2区の放射性物質の構成を米国土壌調査から推定したいが、詳細な核種分析結果があるのは、F1に最も近いところで楢葉町のJビレッジだ。

長者原のセシウム134と137計の土壌濃度を448.1万ベクレル/m^2とすると、いわき市の2サンプル平均で29万1千ベクレル/m^2だからこれの15.4倍に当たる。
ヨウ素131はサンプル採取時点が違うので比較が困難。他の核種も共通なものがない。ウラン232は、6地点のサンプルで濃度に差がないなどから、セシウム以外の核種の濃度が米国土壌調査の結果を用いて計算したセシウムの倍率と同じ倍率で存在すると推定するのは乱暴すぎるだろう。
だが、逆にセシウムの倍率ほどの開きは見られないと見ることも困難だ。セシウム以外の核種もセシウムに見合う相応の密度で存在すると見なければならないだろう。
そしてそう見た場合に、半減期の長い核種が4年余を経て、植物や気候にどんな影響を及ぼすかということになる。
そのような観点から、筆者は、長者原定点カメラから見える風景は早晩、茶色に変わっていくと予想している。草が枯れ、木が枯れていく。
もちろん、その頃には人も今とは比較にならないほどに多数亡くなっていくはずだ。
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「遺体から高い放射線量、収容は難航」 News i - TBSの動画ニュースサイト
福島第一原発の退避圏内では、警察による行方不明者の懸命の捜索活動が続いています。周辺で行方不明の方はおよそ1500人に上りますが、高い放射線量を浴びている可能性のある遺体の収容に、警察は難しい対応を迫られています。
福島第一原発から20〜30キロ圏内にあたる福島県南相馬市。白い防護服に身を包んだ警察官が津波で流されたがれきのわずかな隙間をのぞき込み、行方不明者の捜索を続けています。
捜索が難航する中、3月27日、5キロ圏内の大熊町で見つかった男性の遺体からは、計測器が振り切れるほどの高い放射線量が計測されました。男性の死因は病死で、死亡した後に被ばくしたとみられますが、安置所などで二次被ばくの可能性があるとして、警察は遺体の収容を断念しました。
被ばくした遺体の収容は容易ではない、と専門家は指摘します。
「表面の汚染したところだけ洋服を脱がせるだけでも除染できる。一番まずいのは汚染を広げること。作業する人の被ばくにつながるのがまずい」(国際医療福祉大学 久保敦司教授)
さらに、遺体を火葬することで、放射性物質が拡散するおそれもあるといいます。
「火葬したものから煙や灰に放射性物質が残る。そういう物が環境を汚染するおそれがある」(国際医療福祉大学 久保敦司教授)
退避圏内にあたる双葉町などでこれまでに収容された遺体は13人。福島第一原発から10キロ圏内では警察官の立ち入りも制限されていて、実態はわからないままですが、行方不明者の数から推測すると、数百から1000人にのぼる遺体が残されている可能性もあるといいます。残された遺体をどのように捜し、どのように収容するのか・・・。警察は難しい対応を迫られています。(31日16:52)
(初出 2015/8/7 追記9/1)
http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2015/05/blog-post_31.html
鳥類学ジャーナル【論文】フクシマ放射能による鳥類種の個体数と多様性に対する蓄積作用 2015年3月号
>食物網における放射性核種の生物濃縮の効果を予測した。
>低栄養レベルの場合のほうが放射線の個体数に対する悪影響が大きかった。
>汚染地域における酸化ストレスおよび抗酸化レベルの低下が
>繁殖率、生存、最終的には個体数の傾向に悪影響をおよぼしているとする仮説と一致しているようである。
フランスなので過小評価気味の立場を取っていてもおかしくない点には注意がいるかも知れません。
http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2015/03/blog-post.html
アメリカン大学教授が暴いた米国メディアのフクシマ過小評価・歪曲報道
>米国メディアがこの惨事を大見出しで報道することはもはやない。
>[福島]県の住宅、文教、ビジネス地区が居住不能になっており、おそらく永久に住めないようである。
>専門家の知識は――とりわけ災害時に発生する情報の真空状態において――虚偽情報や不明確状況を仕組むために悪用されかねない。
>「災害に対する人びとの理解は、これからもメディアに仕組まれつづけるでしょう。メディアの人たちがリスクの存在と災害の特質を歪曲するありかたが問題なのです」
結局のところ、ずくなしさんのところのようにスクラップや統計から矛盾点を表に見せてくださる記事は貴重で重要だと思う次第です。
大熊町近辺について、割と昔のものになってしまいますが資料的にこちらを。
http://hibi-zakkan.net/archives/30904090.html
>広瀬隆 講演会資料
>DAYS JAPAN/3・11DAYS行動する会共催。「行動する会」設立・第一回集会。
>で使用された資料
>計器と地域による違いはあるが、
>日本全土で、あまり汚染していない地域の平均的な空間線量は
>毎時0.02〜0.05μSv(マイクロシーベルト)ぐらいである。
>1μSvあれば危険だ。
>双葉町
>チェルノブイリ原発事故の汚染地帯と比較すると・・・
>トテツモナイ数字である。
>安倍内閣の日本政府はこの町に住民を帰還させようとしている。
>原発から2キロメートルの場所では・・・
>原発の事故ではここに避難しろ、と・・・
>7シーベルトとは、癌などの病気になる被爆量ではない。
>致死量である。
>大熊町民がここに住んでいれば、死んでいたのだ!!