福島第一原発事故により同原発の燃料に含まれていたウランが飛散したことは間違いない。米国土壌調査で核分裂生成物のウラン232が検出され、ウラン238もベクレル数は少ないものの検出されている。(ウラン238は日本の土壌には普遍的でそのバックグラウンド値をどう設定するかにより検出値はゼロに近くなり、場合によってはマイナスになる)
桑名市の事例を機に、ツイートなどを振り返ってみたが、測定結果は見当たらない。ウランはアルファ線核種であり、娘核種はベータ線やガンマ線を出すものもあるが、飛散した放射性物質の中で圧倒的な量を占めるであろうウラン238がその娘核種と一緒に飛んでいなければ、ウラン238から娘核種が出来てベータ線やガンマ線を出すに至るには長い時間がかかる。
アルファ線源について簡易計測器で測定するのは困難だ。特に福島第一原発事故直後のヨウ素などが大量にガンマ線、ベータ線を発している状況下では、アルファ線遮蔽の有無でアルファ線の量を測るのは無理だ。完全に埋もれてしまう。
ウランの飛散の事実は、核推進派にとっては極めて不都合な事実であり、学者などは言及しない。測定をする人もいないし、いても結果を発表しないだろう。
今、筆者が言えるのは、次のとおりだ。
@ 福島第一原発事故後に広くウランが飛散、降下した。
A 劣化ウランの主成分はウラン238であり、これは下の画像にもあるように酸化すると黄色く見える。
B 各地に降下した「黄色い粉」には、ウランが含まれている場合がある。
C 「黄色い粉」には、黄砂、花粉、工場排煙に含まれるチリが主成分のことも多い。スギなどの花のつぼみは、放射線を浴びると急激に膨らんで花粉を放出するとの見解もある。
D 海水に含まれる塩分から生じた放射性イオウの可能性も否定できないが、反応の時間的長さから考えて量的にはウランとは比較にならない。
E 「黄色い粉」の主成分がなんであれ、空中を飛ぶ際に放射性物質を吸着させているだろうから、個人が簡易測定器で測定した場合、高い放射能を検出してもおかしくない。
F 「黄色い粉」がすべてウランからなっているというケースはまずないだろう。
G 2011/3の福島第一原発事故後間もない頃に関東から三重県桑名に至るまで「黄色い粉」が降ったことは、この「黄色い粉」がウランか否かは保留しても、日本列島の広範な地域にセシウム以外の各種放射性物質が降下したことを推定させる。
H 黄色い粉がストロンチウムだとの説は採りえない。福島第一原発事故時に燃料にはセシウムとほぼ同量のストロンチウムが生成していたとされるが、日本の陸上に降下した量はセシウムの千分の一程度のところも多い。
I ウランは極めて危険であり、そのことを知っている専門家はウランの飛散については触れない。小出裕章氏もウランには触れていないと記憶する。
バスビー氏は、Angama @Angama_Market 氏の2015/3のインタビューに次のように答えている。
おれ「ウランが東京まで来てプルトニウムだけ来ないってことはあるんですか?重いから?w」
バズビー「まず絶対量が違う。ウランの方が遥かに多い」
おれ「ぶっちゃけウランとプルトニウムだとどっちが危険なんですか?」
バズビー「ウランだ。プルトニウムは一瞬で周囲の細胞を死なせてしまうのでそこから癌になることがウランよりも少ない」
J 福島第一原発事故から何ヶ月、さらには1年以上も経過した後に降下した「黄色い粉」にウランが相当量含まれるとは考えられない。
・・・以下に関連ツイートなどを引用・・・
AKIRA @AKIRA23150220 氏の2015/5/18のツイート
@oldblue2012
日本各地に降る黄色の粉?
これは福島第一原発の再臨界した地下デブリが海側からの海水と接触して放射能性水蒸気として吹き上げられた海水に含まれる硫黄です。
花粉とかではありません。
けっして吸い込まないで下さい
rubyeyes9 @rubyeyes9 氏の2015/5/12のツイート
【福島】黄色い粉(酸化プルトニム) 4号機周辺で確認
2011/3/24関東に「黄色の雨」が降ったあと地面に「イエロースポット」が出現
雨にあたった埼玉の女性が脱毛
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2011/10/mocihzuki-7bef.html …
物凄く今更だけど、あれは本当に花粉だったのだろうか。
KUSHIBEE @KUSHIBEE 氏の2014/11/16のツイート
2011 3.20頃だったと思いますが、福島南会津 大内宿に行った際、雪のように少し黄色味がかった白い粉がハラハラと舞いました。この写真のような感じでした。
Aya kato@aya_1122_氏の2014/11/13のツイート
原子炉破損で燃料のウラン飛散か NHKニュース 2014/8/9
東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きた直後に茨城県内で採取された大気中のチリから、ウランのほか原子炉内の構造物の素材が検出
"東京理科大学の中井泉教授らの研究グループは、福島第一原発の事故直後の3月14日の夜から翌朝にかけて原発から130キロ離れた茨城県つくば市で採取した大気中のチリを兵庫県にある大型の放射光施設「スプリング8」で分析しました。
その結果、放射性セシウムのほか、ウランや燃料棒の素材のジルコニウム、圧力容器の素材の鉄など、核燃料や原子炉内の構造物と一致する物質が検出されたということです。
これらのチリは直径2マイクロメートルほどのボール状をしていて、高温で溶けたあと外部に放出されるなどして急に冷えた場合の特徴を示しているということです。"
cmk2wl@cmk2wl 氏の2014/6/5のツイート
幸蔵 @coooozoooo 氏の2011/10/29のツイート
黄色い粉、イエロースポットって、黄砂の可能性もあるよね。札幌にも車に黄色の粉が付着していた事は福島原発前からあったから、それは成分をちゃんと調べたいところ・・・個人的には沢山の正確な事実を並べてどれだけ有効な対処を考えられるか、に関心がある。楽観的でも悲観的でもなく前向きに・・
やや上り坂42 @epi_fx 氏の2011/6/3のツイート
福島で水素爆発したあとの3/23に関東地方で、黄色い雨が降ったことで話題になった。家のベランダにも黄色の粉がへばりついてたな。気象庁によると杉花粉との発表だったが、それって本当だったのだろうか?http://p.tl/AAeS
K.Makino@ベッカムの髭剃り @Slight_Bright 氏の2011/5/31のツイート
確かに空気に触れるとSrは黄色味を帯びる http://p.tl/GiSO 様ですが、東京でそれが観測されたとすれば、福島はどう言う状態でしょうか?RT @gutengutengu @sazamaru 東京で黄色い粉…ストロンチウムは黄色…東京で飛散した懸念は…?
中野秋穂 @akihonakano 氏の2011/5/29のツイート
都内の黄色は花粉と中国大陸の黄砂に放射性物質のためかRT @tpb_h: RT @siroiyamaneko 仙台で黄色い雨が降っているというツイートがある。15日以降の都内でも黄色い粉が高い放射線を出していた。福島第一原発の壊れかけプラントから昨日大量に出ていると言うことか??
Kenlynxマレーのとらさん@kenlynx氏の2011/5/4のツイート
アメリカ空母ジョージワシントン、3月21日13時過ぎ、横須賀ドッグで定期修理中にもかかわらず緊急出港。3月23日関東地方(長野でも)に黄色い雨、粉が降る…なるほど(-_-;)
3号炉の爆発 , http://bit.ly/iYfu3p "
酒焼け☆わんわん @boonyz 氏の2011/5/2のツイート
昨日も今日も黄砂が大量に飛びクルマは黄色の粉で覆われている。西日本に移動してから東京で悩まされ続けていた喉の痛みなど、不快な症状の一切が消えたことを考えると、あの喉の痛みは黄砂でも花粉でもなく、福島第一原発から放出された放射性物質によるものだと考えた方が合理的だろう。
NHK科学文化部@nhk_kabun2011.03.24 12:10
けさは関東地方の広い範囲で大量の花粉が飛んでいると見られます。気象庁には「黄色い粉のようなものがうっすらつもっている」という問い合わせが多数来ているそうです。
2015年07月11日
「黄色 粉 福島」検索結果から 黄色の粉はいろいろなもののミックス
posted by ZUKUNASHI at 10:07| Comment(5)
| 福島原発事故
「黒い粉」「藻か苔が乾いたような黒い粉末状の物質」のお話は黄色の粉よりも目にする機会は少なかったように記憶しています。でも同じ頃に横浜内のマンションの窓枠の埃だったか屋上からプルトニウム/ストロンチウム検出。
またいつもの感覚や想像で書いてますが、目にした情報量の差からいうと黄色い粉が圧倒的に多かった。ということは・・・。
南相馬市のブロガーが小出裕章氏に分析を依頼しようとして固辞されたと書いてありました。
もし、分析して結果を公表したら小出氏は職を失ったでしょう。
黄色い粉は、だれも掃き集めて保存していませんのでいろいろな憶測の余地が生まれます。
私は、黄色い粉が黒い粉に混じっていると考えています。もう黄色ではありませんが。
海外の核の知識のある者は東日本へは足を踏み入れないでしょう。それほど異常な環境で人々が生活しています。
黒い粉について調べているときにずくなしさんのブログに出会ったのだったかも?長い間拝読していますが、どうしてだったか失念していました。
いろんないわゆる反体制デモに人がたくさん集まって、すばらしいことなんでしょうけれど、東京で若者が集まっていて、しかも小雨の降っている日なんかだと、もう怒るのはやめたのですが、虚しい空しい。
小出先生は善人タイプですが、所詮、K大の研究者だったのです(ため息)。K大もT大も親戚の研究者たちに2011年に吠えまくりましたが、「命とT大、どっちが大事かよく考えて」と伝えましたが、みんなに無視されました。仙台で学会があると聞けば「行かないで」と。でも行ってかまぼこ食べてくるし、K大よ。文系だから?もう感知せず。というか亡くならはった・・・。
読み終わった小説の一節。
「政府による情報操作が行われていることくらい、当時でさえ、日本の国民の多くが知っていましたわ。わたしたちは知ったうえで、あえて知らないふりをしていただけなのです(中略)新聞が”真実”を書かなかったのは、それがわたしたちの知りたくないことだったから。(中略)そして、気がついたときには、もう引き返しようのない場所にまで来ていた。」