手もとで0.3μSv/h観測したら静かに離れろ: ずくなしの冷や水

2015年03月23日

手もとで0.3μSv/h観測したら静かに離れろ

関東でも汚染が強い千葉県北西部を中心に空間線量率を測定してきました。

筆者の測定方法はSOEKSを手に持ったり、上着のポケットに入れたり、リュックのポケットに入れたりして測っていますのでおおむね地上高1.2m程度になります。

次の図の白い棒グラフが1時間から2時間かけて測定した累積線量率の時間当たり平均値です。一番右が我孫子市の常磐線、成田線の北側の地域で、平均がおおむね0.185μSv/h。



歩き回りながらの測定ですから4kmから10km程度の区間で観測される空間線量率の平均値で特定の場所の値ではありませんが、その区間の多数の場所で3分間静止して測った場合の平均値とほとんど同じになります。

この区間に沈着した放射性物質がまったく移動しないと仮定しても、区間内のそれぞれの場所で測定した線量率は3分間の間でも上下します。放射性物質の壊変はランダムだからです。

場所を移動しながら測定すると、放射性物質が大気中を動いていますし、通り過ぎる車両が出す放射線もあります。測定者が一休みして1箇所に5分とどまることもありますから、何を測っているのかと問われると返答に窮する面はありますが、広がりを持った地域の平均的な空間線量率を把握する、特定の場所の特異な線量率のウエイトを低くすると言う面でこの測定方法はメリットがあります。

測定結果から見ると、地域間格差に関しては文部科学省の空中測定結果とも整合性を持ちますので、筆者としては、このデータは信頼性ありと判断しています。

上のグラフで分かるように、福島第一原発事故から4年を経過した現在時点で、千葉県北西部でも、地上高1.2mで空間線量率が0.15μSv/hを越えるところは数少なくなっています。

局所的にはもっと高いところがありましょうが、そういうところは常に高いはずで日ごろ注意していれば容易に見つけることができますから近寄らないようにできます。

今、警戒すべきは、普段0.15μSv/hかそれ以下の空間線量率を示しているところで、0.5μSv/hとか1μSv/hを検出したらどうするかという問題です。

読者から電車で都心に出た日の累積線量率が著しく高かった例をうかがいましたが、これは電車内の近い場所に高い放射線量を発している人がいたためと見られます。甲状腺の障害でヨウ素による治療を行って間もない方か、汚染地域へ除染活動のボランティアに行った帰りの方とかです。

衣類、特に起毛や厚手の羊毛の冬物衣料から高めの放射線を発している方はおられます。筆者はダッフルコートをもらいましたが、測定器を当てたら明らかに線量率が高かったので即返却しました。

電車の中で「放射能人間」と乗り合わせて、その方の出す放射線によって被曝しないようにするためには、簡易測定器を持ち歩いて一定の線量率を検知したら警報が鳴るようにセットしておけばよいのです。そして、警報が鳴り続いたら静かにその場所から離れ、立ち去ります。

実際には、「放射能人間」に出くわす例はそんなに多くないでしょう。ヨウ素による放射線治療を終えて間もない方が混雑した電車に乗り込むようなことは、普通は遠慮するはずです。ペットも抱かないよう注意を受けるのですから。

「放射能人間」は恐くありません。1m離れただけで線量率はぐーんと下がります。電車が止まったら、別の車両に乗り換えればよいのです。

怖いのは、もっともっと細かい体内に入ってくる放射性物質の微粒子です。汚染地域へ除染活動のボランティアに行った帰りの方はそのような微粒子が衣類に付着していてその人が動くたびに舞い上がることもありえます。高級な毛足の長い羊毛コートを着た人もその可能性があります。

放射性物質の微粒子が空気中を舞っているときは、空間線量率の変動が大きくなります。

例えば、2013/5/5、市原市瀬又地内で0.5μSv/h超を検出しています。好天で南風の日でした。


2014/5/25、新習志野駅ホームで16:04。


2014/5/17、船橋市西浦地内で。


検出例はたくさんありますが、極め付きはこれです。

2014/5/11午後、市川市柏井地内で。弱い南の風が吹いていました。




手元の簡易線量計が1μSv/hを指したら、その場から走って逃げろと聞かされたことがあります。

様子の分からない初めての場所で、線量計が1μSv/hを指したら逃げなければなりません。若い友人が放射能の測定に出て放射線宿酔を起こしたときは、その場にいた人達が皆気分が悪くなり、1秒も早く逃れようと思って行動したそうです。

ですが、筆者の遭遇した地上1mないし1.2mでの高い空間線量率は、その場所に固着した放射性物質によるものではなく、風に乗って大気中を流れてきたものです。

これは吸気被曝を生じますから、逃げなければなりません。しかし、このような場合の放射性物質の流れは、かなりの広がり、幅を持ち走って逃げるのは無理です。上の市川市柏井地内の例では、14時31分から14時59分まで高い状態が続きました。そもそも風の流れは見えません。

手もとの測定器が、高い値、目安は0.3μSv/hでしょうか、それを超えたらマスクをする、マスクがなければハンカチをマスクの代用にする。そして静かに風、気流と直角の方向に移動するのが、追加的な吸気内部被曝を回避する対策となります。
posted by ZUKUNASHI at 14:04| Comment(2) | 福島原発事故
この記事へのコメント
ずくなし様。お疲れ様です。昨夜も夕食もそこそこに、こちらにお邪魔させて頂いておりました。毎日の更新、しかも緻密な分析には頭が下がる毎日でございます。市川市柏井ですが近くには市川市斎場や松戸市斎場があります。火葬場からの放射能プルームは私の勝手な想像ですが。湾岸の西浦辺りからもそれ程遠くは無いですし、色々飛んで来るのでしょうか。フィールドワークは危険がいっぱいですね。お気をつけて下さいませ。よろしくお願い致します
Posted by 紫禁城の黄昏 at 2015年03月25日 10:06
斎場は異臭防止のために排煙排ガスの処理が徹底しています。ごみ焼却場や廃棄物リサイクル施設とは設備も量も比較になりません。
フィールドワークは、マスクをして測定器を確認しつつ歩いていますので危険があれば察知できます。
測定器が高い値を示して、さあどっちに逃げようかと考えているときに、ジョギングの方が脇を通ったりします。思わず声をかけたくなりますが、その間もなく行ってしまうので。
これまでの現地調査で、身の危険を感じたのは、この柏井の例ともう1箇所だけです。我孫子は緊張しましたが、線量率の高いところからは早々に退散しました。
私のフィールドワークは、その地域の方が無防備で買い物に出たり、公園で遊んだり、ジョギングをしているのに比べれば、危険は低く抑えられていると考えています。
Posted by ずくなし at 2015年03月25日 10:37
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