今、首都の不動産を売る人買う人: ずくなしの冷や水

2015年03月22日

今、首都の不動産を売る人買う人

2015/3/18毎日新聞の記事が印象に残っている。

公示地価:震災爪痕残る千葉・我孫子は最大の下落率11%
 災害を背景とする地価の変動が、各地で続いている。18日に公表された公示地価では、東日本大震災による液状化や台風で被害を受けた千葉県我孫子市の地価が大きく下落した。一方で、内陸部に位置し、津波の危険が小さいとみられている静岡県藤枝市の地価は上昇。被災リスクの差が明暗を分けた格好だ。

この記事では、我孫子市布佐酉町を取り上げ、「東日本大震災による液状化の被害が集中し、約120戸が「全壊扱い」となった。追い打ちをかけたのが2013年10月の台風26号の水害だ。総雨量282ミリという記録的な豪雨が震災時の広範囲な地盤沈下と重なり、約400戸が浸水するなど大きな被害が出た。」と続けている。

だが、布佐酉町は我孫子市の東のはずれ、我孫子から成田線で4つ目の布佐が最寄り駅だ。「液状化で被害が大きかった」ことは否定できないが、調べると我孫子市はほぼ全域で公示価格が下落だ。

人口統計で転出が多くなっているのに、住宅需要が盛り上がるはずがない。

「土地価格相場が分かる土地代データ」 の不動産取引価格の推移のグラフを見ると、2011年から我孫子市の取引平均価格が下がっている。

記者もずいぶん苦しんで記事を書いている。放射能汚染が強くてとは書けないのだろう。そんな記事を書いたら地価下落に拍車をかけて新聞不買運動がおきかねない。

不動産業界は神経質になっているはずだ。売り手が多くて買い手がなければ仲介業者が困るし、商業ビルを保有、賃貸する不動産会社は、人口減で商業施設の評価が下がったら、資産が少なくなる。

次のツイートも注目される。

マンションGメン ‏@mansion_Gmen氏の2015/1/7のツイート
福島第一原発事故後、多くのタワーマンションで高層階住戸が売りに出されるという現象が起こった。富裕層の逃げ足は天下一品。金があれば何でも出来るということだ。彼らは今頃、海外か西日本の低層、中層マンションにでも住んでいるのだろう。

タワーマンションの高層階住戸は特に高額だ。それがなぜ売りに出たか。

ひとつは計画停電によって停電中、外出もままならなかったことで嫌気が差したこともあるだろう。だが、筆者は、タワーマンションの高層階住戸では、2011/3の福島第一原発事故によるプルームの襲来時に被曝が大きくなった可能性があると見ている。

放射性物質を含んだプルームは、地面を這うように進んできたわけではなく、上空のほうがより放射性物質濃度が高かった。

このため、北東方向に開けた高台では初期吸気被曝が多くなり、相対的に早い時期に死亡数が増え、人口動態が悪化した。町田市、横須賀市などが典型例だ。

これらの高台とタワーマンションの高層階住戸がほぼ同じ高さだ。タワーマンション高層階住戸の汚染が強かったかどうかは分からない。ガンマ線源が付着しただろうが、中層住戸と似たり寄ったりかもしれないし、ベータ線源、アルファ線源については情報がない。

もともと、高層階住戸は地面から離れている分だけ地上のガンマ線が届きにくく、ガンマ線の線量率は低くなる傾向が見られる。ベランダの10m先に壁面が汚染された他の棟の外壁が迫っている場合と遠くまで見通せる場合を比較すればすぐわかる。

低層住戸、特に一戸建ては、地面に近い分、地表のガンマ線源の影響を強く受ける。そして、窓を開けた際などに放射性物質が家の中に入り込みやすいという懸念もある。

2011年に日本から帰国したある米軍関係者は、コンテナに積んだ家財から規定以上の放射線量が計測されて、家財をすべて廃棄処分することになったという。

2013年04月28日 米国なら廃棄される家財の中で暮らす日々

おそらく、筆者の家の家財も、読者の家の家財も、「米国なら廃棄される」ほどに汚染されているのではなかろうか。何年間か隔離すればよいということではなかったようだから、アルファ線源、ベータ線源による汚染と見られる。

最近になって、都内のマンションが売れていないとされ、その理由として消費税の増税があげられている。それももちろんあるが、今や不動産を購入しようとする人は増えず、むしろ売却しようとする人が増えてきているのではないかというのが筆者の見方だ。

移住を思い立った人は、まず荷物を整理し、そして家を売りに出す。ローンがあるために住宅売却が難しいとの悩みもよく聞く。

タワーマンションの高層階住戸に限らず、高級住宅街とされてきた地域、世田谷区、大田区の一部、さらには鎌倉市などで不動産売却物件が増えているという。

首都圏の住宅需給は、これからも緩むのではなかろうか。新たに住むなら福島第一原発事故後に建築されたものが好まれるだろうし、放射能汚染が相対的に強い地域からは条件の整った人から出て行くだろう。

今心配すべきは、不動産の買い時を見極めることではない。何があるか分からない近い将来に向けて、借金はしない、定期保険に入る、などを考慮すべきではないかと筆者は考えている。
posted by ZUKUNASHI at 21:18| Comment(1) | 福島原発事故
この記事へのコメント
福岡県では、人口が減少している北東部の某政令市でさえ震災後にマンション新築ラッシュ。震災前よりはるかに高いペース。私の生活範囲で、見る限りではあるが。
博多でも完全に停滞していた高層タワーマンションの新築及び計画がまた賑わっている。あの日本屈指の人口流入都市博多でさえ、タワーマンション建築は停滞していたのだ。それがここにきて動き出している。不動産関係者からの話では、事業所ごと首都圏から集団移転している状況もほとんどあるようで。
東日本ナンバーの車もいまやちっとも珍しなくなった。トラックも個人のマイカーも。人と同時に廃棄物も東日本から集まる福岡県の状況でである。大気汚染が酷いから東日本から避難した意味がほとんど無い。水道水や食品が幾らかマシなだけだ。哀れな話だ。避難者本人らは判ってんのかね。
Posted by 満州男 at 2015年03月24日 16:23
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