米国経済の先行き: ずくなしの冷や水

2008年02月25日

米国経済の先行き

NIKKEI NETマネー&マーケットにみずほ総合研究所小野亮氏の米国経済の展望に関する見解が掲載されています。広範に及ぶ良いレビューで資料的な価値もありますから、ポイントを要約します。

@ 商業産業ローンのほか、商業用不動産ローンに対する商業銀行の貸し出し抑制や融資基準が厳格化。M&A、新規の株式発行、社債発行、国際的な協調融資などの市場もこの数カ月の間に縮小。

A サブプライムローン問題による損失は、大手行ではピークを超えたが、これから地方銀行、中小金融機関、投資会社、生保、損保、投資ファンドへの影響が明らかになってくる。

B 雇用、鉱工業生産、所得推移、実質販売出荷動向のどの指標も昨年末くらいにかけてすでにピークをつけたか、ピークを迎えつつある。

C 利下げは、通常、半年くらいの時間を置いて効き始めるので、早ければ今年の前半に効果が出てくるが、商業銀行の健全性に問題があり、十分な金融緩和効果が生まれにくい状況。目に見えるのは2008年後半くらいに。

D 2年間で総額1,680億ドルに上る景気対策は、今年だけでも1,000億ドルを超える見通しで、早ければ5月くらいから家計に恩恵をもたらすはずだが、今回は家計の債務負担が重いため、限界消費性向は3割くらいにとどまり、その呼び水効果も期待しがたい。2008/10〜12期の実質個人消費はむしろマイナスになり、2009年には息切れ。

E 今期はマイナス成長の可能性が高く、企業が雇用調整に入る可能性があることから少なくとも2008年は雇用減少が続く。成長率は、2010年に向かってようやく潜在成長率並みにいくかいかないかという低い筋道をたどる。

F 住宅在庫は新築、中古合わせて9カ月超で適正水準の4ヶ月を大幅に超過。2010年になっても住宅投資はマイナスが続く見込み。

G 米国経済を見通す上で今後は商業用不動産ローンを担保とした証券化商品などの金融商品や金融市場の動きに注目を要す。新興国についても、中国のほか、欧州の周辺国や中南米の動きにも目配りする必要。米国経済は周辺国、欧州からの融資・投資が成長を下支え。

バルチック海運指数は、2007年に投機的な動きをみせていたが、ここ1カ月で昨年1年間の上昇分が消え、足元では少し戻している状況。海運指数の下落は、新興国の経済成長への期待が弱まる兆候とみなせる。
posted by ZUKUNASHI at 05:01| Comment(0) | 社会・経済
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。