なぜCTBTO高崎が検出するビスマスが増えているのか: ずくなしの冷や水

2015年02月01日

なぜCTBTO高崎が検出するビスマスが増えているのか

CTBTO高崎観測所の公表資料によると、ビスマス214の測定データについて2013/4から2014/11までのデータから移動平均を取ってトレンドを見ると、右肩上がりになっている。



日本では、花崗岩からラドンが出ると言うからそれがビスマスに変わる。含有率が低いとはいえ、ウラン鉱脈もある。だから、昔からラドンは自然の放射性物質とされ、観測もされている。

ウラン238の半減期は4.468×10^9年。長い年月にわたって少しずつ崩壊している。

ここに来て、ウラン238からいくつかの娘核種を経由してできるビスマス214が増えたのはなぜか。

それは、世界のウラン鉱山で採取され、核燃料として日本に持ち込まれたウランから生ずる娘核種が増えていると言うことであり、福島第一原発事故により飛散、拡散、降下したウランとその娘核種が原因だ。

ウラン238の半減期は長い。これまで天然のウランとして長い年月を経て、さらには燃料棒の中で壊変が続き、それによって生じてきた娘核種は燃料棒の損傷によって一気に環境にばら撒かれた。

それらは、それぞれ降下した場所で壊変を続けている。上の表で下位にあるものほど半減期は相対的に短い。あっという間に壊変してしまうものも多い。

福島第一原発事故から間もなく4年。大元のウラン238、およびウラン238から生じたウラン234、トリウム230、ラジウム226の独自の壊変が始まっている。

それに伴って、ラドンが増え、ビスマスなどが増える。

これまで、ラドンは気体となって地中から地上に漏れ出す、地下水にも含まれるとされてきたが、それは地中に発生源がある場合だ。今の日本のように地表にウラン238やその娘核種のうち長寿命のものが降り積もっていれば、それから生じたラドンガスは、即、大気中に出てくる。

世界から集められたウラン238が飛散して、日本の土壌はウランリッチになっている。しかも壊変により即娘核種が地表に、地表に近い大気中に生ずる。

ウラン系列では、何十年、あるいは百年の時間経過で、少なくともラジウム226以降ポロニウム214までは放射平衡が成立すると見られている。

ビスマスの検出量が増えているということは、ばら撒かれたウラン238以下から生じたラジウム226とそれ以降のポロニウム214までの核種が増え続けていると言うことであり、まだ安定した放射平衡状態には達していない。

これが安定した放射平衡に達して、ビスマス214の検出値が安定するには、何百年もかかるのではなかろうか。CTBTO高崎の検出値も増加傾向を続けるだろう。



ラジウム226それ以下の核種にはアルファ線を出すものも多い。日本の土壌はこの先アルファ線核種の含有率を長期間にわたって高めていくこととなる。そこで栽培された農作物は、現に壊変が進行中の核種を含むものとなる。

アルゼンチンに移住した方は、大変良い選択をされたように思う。

注:放射平衡(ほうしゃへいこう)は物理学用語の1つで、逐次崩壊や系列崩壊において元の放射性同位体(親)が崩壊してできた次の核種(娘)との放射能の量的な関係が、時間的にほぼ一定の比率で推移する状態を指す。
親と娘はそれぞれ一定値の半減期を持つため、親が生成されて以後ある程度時間が経過すれば、両者の放射能の比率は一定の比率で安定となり平衡状態となる。Wikipediaから。
posted by ZUKUNASHI at 10:04| Comment(0) | 福島原発事故
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