日刊ゲンダイの意外な良識: ずくなしの冷や水

2008年02月11日

日刊ゲンダイの意外な良識

タブロイド版夕刊紙、会社勤めをしているときも滅多に買いませんでしたが、最近は時には良い記事もあるのでしょうか。「この不景気はこれから大不況に悪化する」と題した記事は共感できる点が多い良い内容です。Rさんご教示ありがとうございます。

2008/2/8、10時配信ですから2/7に掲載されたものかと思われます。要点を引用します。

@ ゴールドマン・サックスが2008/1/28のレポートで、「遅くとも1〜3月には景気は後退局面に入った可能性が高い」「背景には内需停滞がある」とし、2008年の日本の成長見通しを1.2%から1%に下方修正。(2008/1/28の情報メモご参照)

A 慶応大学の金子勝氏は、日刊ゲンダイコラムで、「米国の消費が9.5兆ドルあるのに対し、中国とインドを合わせても1.7兆ドルもない。・・・米国経済が悪化すれば、中国やインドも遅れて悪影響が出てくるはずだ。・・・輸出だけに頼る日本経済の脆さがさらに露呈することになる」と。

B 日本の大企業は6年連続、増収増益だというのに、日本経済がここまで弱体化してしまったのは、すべて「小泉改革」のせいだ。

筑波大の降旗節雄氏は、「かつての日本は、輸出が拡大すれば、・・・大企業から下請け、下請けから孫請けへとカネが流れた。しかし、小泉改革は輸出拡大が内需に転化する経路を断ち切ってしまった。・・・最大の罪は雇用の破壊。大企業の言いなりになって、派遣やパートなどを安い賃金で働かせられるようにした。これでは内需が活発になるはずがない。輸出が減速した途端、不況に陥るのも当然」と。

C 降旗節雄氏は、「日本経済を再建するためには、もう一度、国民の末端にまで果実が行き渡るシステムを構築するしかない。企業が増収増益をつづけているのに、サラリーマンの賃金が9年連続ダウンという歪みを放置していてはダメです。少なくとも、小泉改革が壊した最低限のセーフティーネットは復活させるべきです。さもないと、日本経済は本当に疲弊してしま」うと指摘。

・・・・・・・・・・・

先日、建設業界で働く知人から話を聞いたら、最近は、都内の総武線沿線の駅前で早朝日雇い仕事を求めて立つ中高年男性の仕事が大きく減少、1日9千円程度の日当も得られない人が多いとのことですし、建設現場で継続的に働く人でも昼の弁当はご飯と味噌漬けだけという人もいると。

特に家庭持ちの職人は、生活費の切り詰めに必死だと聞きました。私の子どものときはご飯と梅干だけの日の丸弁当も珍しくはありませんでしたが、これだけ街が立派になり、ピカピカの車が道路を埋めていても多くの人は先行きの生活不安に怯えているのです。

コイズミ改革の失敗を認識し、その弊害を急いで是正しなければなりません。政府・日銀が言う「好循環」など働いていません。

働く意欲のある者に勤労の場を与え、働けない人の生活を保護するのは社会の責任です。それをやろうとしない、できない政府には今すぐはっきりとノーを

最大野党もどこまで当てになるのかわかりませんが、そっちもダメならそれにもノーを突きつければよいのです。今の国会議員はとにかく議員になれさえすれば、どの政党でもという柔軟性の高い人が多いのです。

国民の意識が、投票行動が変わったと分かれば、彼らは真っ先に主張を、そして行動を変えます。それを変えさせないと日本は子どもを持てない社会になって、20年、30年と停滞・衰退傾向の強い社会となっていくことは避けられないでしょう。
posted by ZUKUNASHI at 09:07| Comment(0) | 社会・経済
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