日本の土壌はもともとウランが多いと言うが起死回生の一発: ずくなしの冷や水

2014年10月15日

日本の土壌はもともとウランが多いと言うが起死回生の一発

ウランの測定データを探したがあまりない。見つけられていないだけかもしれない。

そんな中で、日本保健物理学会のサイトで次の記述を見つけた。

「わが国を含めて世界の普通にどこにでもある土には、平均して土1トン当りに自然のウランが1〜10グラム程含まれています。ウラン1グラムはほぼ1万ベクレルに相当しますので、これは1万〜10万ベクレル含まれていると云うことになります。」

上の記述はウラン混合物である天然ウランに関してのものと見られるが、ウラン238は1gで12,444.80ベクレルだから、1トンの土に1gなら土1kgでは千分の1gで12.4ベクレル、1トンの土に10gもあれば土1kgでは百分の1gで124ベクレルとなる。米国土壌調査でウラン238と235の合計で33ベクレル/kg程度あってもなんら驚くことではなさそうだ。

最近の実測値のデータは少ないが、ENENEWSが2013/3/22に伝えた Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry掲載の論文によれば、在日カナダ大使館の土壌から60ベクレル/kgのウラン238が検出されたという。

日本ではどこででも土1kg当り0.01g、124ベクレルものウラン238が検出されるのであれば、東京赤坂で60ベクレル/kg出ても何も目新しいことではない。

他の信頼しうるソースでは、小出 裕章氏が2003.11.1「原子力資料情報室通信」に「インド、ジャドゥゴダ・ウラン鉱山の放射能汚染と課題」という論文を寄せており、これに原子炉実験所のある熊取ではウランが29ベクレル/kgとある。ウラン238だけかは不明。

さらに環境放射能データベースでは、2011/3/11前の測定データとして次のように載っている。
         1g1万Bq換算
2010/9/1 横須賀市 U-238 0.8 mg/kg 8 ベクレル/kg
2010/9/1 横須賀市 U-238 0.2 mg/kg 2 ベクレル/kg
2010/9/1 横須賀市 U-238 1.3 mg/kg 13 ベクレル/kg
2010/9/1 横須賀市 U-238 0.2 mg/kg 2 ベクレル/kg
2011/3/4 横須賀市 U-238 0.9 mg/kg 9 ベクレル/kg
2011/3/4 横須賀市 U-238 1.5 mg/kg 15 ベクレル/kg
2011/3/4 横須賀市 U-238 0.2 mg/kg 2 ベクレル/kg
2011/3/4 横須賀市 U-238 0.2 mg/kg 2 ベクレル/kg
米国土壌調査の横須賀市の測定値13.4Bq/kgはこの中で高いほうに属するが、特に高いわけではない。

さて困った。福島第一原発事故でウランが飛散して、東日本に降下したとの私の理解はとんでもない間違いだったのだろうか。・・・困ったときは、原点に立ち戻る。

次は、既出の表について計や比を求めたもの。まず、Dは@〜Cまでの合計、100Bqを越えているところもあるが、そもそもバラツキが大きいのだという。

次に@ウラン232は、めったに見かけない核種だ。これは、ATOMICAの解説によれば、「このウラン燃料を原子炉内で燃焼させた場合、燃焼につれて232U、236U等の核種が生成されるとともに、234Uの含有量が増加する。これらの核種の生成は、炉内での燃料の出力および燃焼度の履歴によって影響を受けるため、再処理される使用済燃料の出力、燃焼度の履歴の違いにより、得られる回収ウランの組成にばらつきが生じる。
232Uは、天然ウランには含まれない核種であり、半減期が短く、娘核種として高放射線核種(208Tl,232Bi)を生成するため、回収ウランの線量率を上昇(ビルドアップ)させる。この線量率の上昇は、図4に示すように10年で約3倍に達する。」とある。原子炉内で生成される厄介者なのだ。それなのになんでこんなに多いのか?



次にGを見ると、ウラン238をウラン233/234で割った比がある。自然界ではウラン238とウラン234の間では放射平衡が成立するから両者の放射能濃度は同じになる。ここでは1.0を下回っているものがあるが、それが誤差なのか、上の解説にある「234Uの含有量を増加」させた結果なのかは分からない。

もう一つ、日本分析センターの行った「 海底土中の U 分析結果」には、各試料の「天然のU-235の存在比U-235/U-238=0.0073とどれもほぼ同じ」ことが天然に存在するものと同じレベルのウランだと評価する根拠になっている。

上の表でこの値を計算すると、Fの欄にあるように、0.046と皆同じ値でかつ上の0.0073より1桁大きい。これは、核燃料として利用するためにウラン235を濃縮したからだ。

これらのウランが原子炉または使用済みで保管中の燃料から出てきたものであることは、@とFが動かぬ証拠だ。

もう1点蛇足かもしれないが触れておこう。Fの0.046という値は、なかなか微妙な意味を持つ。通常軽水炉のウラン燃料は、ウラン235が5%程度残りがウラン238とされるから前者の後者に対する割合は 0.05263になる。原発の稼動により両者ともに減るが、核分裂の起きやすいウラン235のほうの減り方が大きい。0.046にとどまるのは値が大き過ぎるように思うが、福島第一原発3号機ではMOX燃料を使っていた。この割合は各号機の燃料組成、稼働時間、放出率によって規定されるわけで、どの号機からどれだけ放出されたか、推定する根拠にもなりうるだろう。



ウラン問題をしばらく書き続けてきたが、付き合ってくれた読者には一応面目を施すことができた。

最後に、ある議員の方のサイトに寄せられた投稿を紹介して結びにしたい。2012年 1月27日付けだ。

「残念ながら、米国エネルギー省/国防総省が測定した土壌データをみると、首都圏全域にウラン232が70Bq/kg程度飛んできています。ウラン232は使用済核燃料にごく微量含まれるのですが、使用済核燃料が原子炉爆発と同時に、燃料粒子として飛んできました。70Bq/kgというのは、65倍して1平方メートルあたりの値に直すと、4000Bq/m2を超えます。つまり、放射線管理区域に相当するのです(アルファ線核種は、それ以外の核種の10倍危険性が高いので、通常の放射線管理区域の定義である40000Bq/m2の10分の1で管理区域になります。)。
西日本に移住した方が安全です。放射線管理区域に人は住めません。」

大学の教員の方の投稿だ。もっと早くこの問題を取り上げておけばと、悔しい思いで一杯だ。

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posted by ZUKUNASHI at 19:23| Comment(0) | 福島原発事故
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