大気汚染測定用ろ紙のセシウム濃度 場所時間別分布 2011/3/21: ずくなしの冷や水

2014年10月05日

大気汚染測定用ろ紙のセシウム濃度 場所時間別分布 2011/3/21

2011/3/21の午前3時台には、前日の動きを受け継いで、埼玉県北西部、町田市で濃度の高いところが見られるが、古河市でも上昇が生じている。


午前6時台には、相対的に濃度の高いところが少し南下し、埼玉県の東京境で上昇が見られる。


午前7時台になって、取手市、印西市、成田市などの濃度が上がり始める。このときのプルームは鉾田市の辺りから上陸しており、取手市より東の地域のろ紙の分析結果がないため、内陸部が突如上昇したように見えるが、取手から北東の方向にある地域は、同様に大きく上昇したはずだ。


我孫子市の2011/3/21の降雨量は午前8時までが3mm、香取が同じ時間帯に3.5mm、千葉市も同じで3mmとなっており、すでに広がっていたプルームに降雨が加わり、濃度が上がったもののようだ。要するに、千葉県の北部では2011/3/21に広い地域でいっせいに雨が降り始めた。



この後、プルームはあまり西へは広がらず、南下している。9時台には、三郷市、葛飾区でともに100Bq/m3を越え、濃厚汚染が生じた。


降水量が少なくなったのは昼頃からの地点が多いが、その前にプルームが移動したと見られ、11時台には館山市で濃度が上昇している。



12時台には、濃度の高いところは少なくなった。階層区分を下げると次のようになる。




3/21の深夜には、一部にまだ高いところはあるが、関東は全体としてセシウム濃度は低くなった。


このセシウム濃度の分析結果から、取手市や東葛飾地域の高濃度は、降雨によりプルームが地面に近いところに押し下げられたことによるのではないかと考えている。取手市の午前8時台の濃度497Bq/m3は2Lの大気の中に1ベクレルのセシウムが含まれることを示す。

降雨によって濃度が高くなったという推定が妥当であれば、降雨による洗脱を考慮してもとても引き合わないところだ。埼玉県内のように濃度は低いが長時間にわたって滞留したところもある。どっちが幸いだったのかは、10年後、20年後にならないと分からない。
posted by ZUKUNASHI at 16:36| Comment(0) | 福島原発事故
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