大気汚染測定用ろ紙の放射性物質濃度から 1 千葉県北西部は3/21の濃度が突出して高い: ずくなしの冷や水

2014年09月07日

大気汚染測定用ろ紙の放射性物質濃度から 1 千葉県北西部は3/21の濃度が突出して高い

原子力規制庁と環境省が公表している「浮遊粒子物質測定用テープろ紙の放射性物質による大気中放射性物質濃度把握」結果は調査地点が多く、空間線量率MPのなかった地域をプルームがどう襲ったか推定する大きな手がかりになる。平成24年度、25年度の結果から千葉県北部のデータを取り出してみた。なお、例によって元資料からの転記ミスがありうるので、あらかじめお断りしておく。

選んだ地点は次の11箇所。この地域には、北東の方向からプルームが流れ込んだので、時間的な関係を見るため、北西方向から南東方向に並んだ測定地点を選んだ。



これらの地点は、2011/3/21に大気中のセシウム濃度がピークに達したはずと見ていたが、それは正しくなかった。まず、野田市は3/15の8時に相対的に低いピークを付けている。これは、3/15のプルームの本流が野田市の北部以北を流れ、野田市中心部は濃厚部分が通らなかったことによると見られる。3/21については、野田市の南部以南、隣接する流山市などに濃厚汚染を生じさせたが、野田市中心部はこのときも相対的に低い汚染でとどまった。下のグラフによく表れている。



もう一つ、これは半ば予想されたことだが、千葉市の東南部に位置する緑区の泉谷小学校は最高が36ベクレル/m3と低い水準にとどまった。またさらに東の土気ではピークが3/16の16時となっている。3/16の午後には、関東平野にあったプルームが東海上に抜けていったが、その通り道となった千葉県北東部では濃厚な大気が通過したと見られる。



下にある香取府馬のグラフでは、3/16の9時に193ベクレル/m3のピークを付けている。気象庁のシミュレーションでは、茨城県西部から流出しているように見えるから、茨城県西部には3/15から3/16にかけてブルームが滞留した可能性がある。

他は、柏から千城台北小学校まで3/21の午前7時台から8時台にピークとなっている。(環境省資料での時間区切りをどう解すべきか不明な点がある)この時間帯は、通園、通学の時間帯であり、平日であれば園児や幼児に大きな影響が避けられないところだが3/21は祝日だった。

上の11箇所のうち、最も高い濃度を記録したのは取手市の497ベクレル/m3で、これは東海村で3/15の6時から9時までの間の370ベクレル/m3をも越えている。このときのプルームは、鉾田近辺から内陸に入っており、取手より東の龍ヶ崎や鉾田の測定値が気になる。

ただ、印西高花、成田加良部、山王小学校局を比べると、成田加良部は他の2箇所より東北に位置するにもかかわらず、印西高花、山王小学校局の測定値の6割から7割程度となっており、ブルームが内陸に進むに連れて高度を下げた可能性もある。鉾田から取手に至る過程でそのような現象が起きていれば、取手より東がさらに高いということではない可能性もある。

以下は、11箇所の測定値の時間経過を示す。横軸の日付時間は連続していないが4つのグラフで共通。






上の11の地点で比較すると、野田や千葉市緑区は、初期吸気被曝が相対的に少なくて済んだ可能性がある。人口動態統計で、千葉市緑区がよく、若葉区が悪いことは早い段階ではっきりしていたが、この二つに関しては、千城台北小学校と千葉泉谷小学校を比較すれば、その原因の一端の推定がつく。

一方、稲毛区の北東隅に近い山王小学校局で276ベクレル/m3が検出されていることは、注目される。千葉市の人口動態が悪く、空中測定マップと比較してもその原因がつかみがたかったが、花見川区、稲毛区、美浜区、中央区は初期被曝が大きかった可能性がある。

次の図で、千葉1区は中央区、稲毛区、美浜区、千葉7区は流山市、野田市、千葉8区は柏市、我孫子市、千葉9区は若葉区など、千葉10区は成田市、香取市など。千葉3区は緑区、市原市。千葉10区はいったん回復したが、また悪化の兆しを見せている。



流山市は人口流入が続き、人口自然増は堅調に推移してきたがここに来て悪化傾向が出ている。野田市は、初期被曝が相対的に少なかったと見られるが人口自然増は乱調気味だ。野田市の場合は汚染食品による影響が出ているといわざるを得ないのではなかろうか。



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posted by ZUKUNASHI at 22:20| Comment(0) | 原発事故健康被害
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