同じ条件のデータを取る。
@ ラップ1枚巻いて直置き。0.53μSv/h。

A 地面から5cm離して測定。0.42μSv/h。

B ゴーグルがベータ線遮蔽効果があるか見る。0.24μSv/h、だいぶ低い。

C ゴーグルに乗せたまま持ち上げる。約1m。0.12μSv/h。

D ゴーグルを外す。約1m。0.13μSv/h。0.01μSv/hの差がゴーグルによるものかは分からない。

結論1。まずゴーグルはベータ線遮蔽効果あり。地表から5cm程度で線量率が半分になっている。ホームセンターで売っている工事・作業用のベルトを頭の後ろに回してかける安価な製品だ。
稲敷郡で測定されたデータと比較してみる。2014/4/1測定のようだから、時期はそんなに違わない。

地上1mまで届くベータ線は少ない。届くのはだいたいガンマ線だと見てよい。地上1mで測るというのは、ベータ線の影響を排除するという意味もある。
稲敷郡の事例でも、千葉県内で私が測った事例も地上高別の線量率の変化はよく似ている。ともにマイクロホットスポットと目される場所を測定したもので、私は、セシウムだけでなく、他のベータ線を発する核種があるのだろうと見ている。そうでないと、地面に測定器を近づけてもこんなには線量率は上がらない。
ただ、雨水浸透性の舗装道路では、地面ぎりぎりにサーベイメーターの検出窓を近づけるとカウント数が上がるから降下した放射性物質が雨水で流出したり、地面の中に浸透しないで残っていてわずかに検出されることもある。
結論2。稲敷郡の測定地点のある地域も私の測定した地点もともに2011/3/21以降に放射性物質の濃厚沈着があった。セシウム以外の放射性物質の降下でも似ているのかもしれない。
ベータ線源として私が警戒するのは、ストロンチウム90とウラン235、238など。
上の結果から、ベータ線源として何が多いのかは不明だが、ベータ線源が広範な地域に降下したことは間違いない。
公園などの場所によっては、ガンマ線とベータ線込みで線量率の高いところもある。地べたに腰を下ろしていると、上の表のように地上1mのところで受ける放射線の約5倍の放射線を性器などに受ける恐れがある。子どもは、簡易なものでいいから椅子に座らせよう。地面から20cmも離れれば大きく減衰する。
実は、公園のベンチなども線量率が高い場合がある。木が腐りかけたベンチなどは要注意だ。

稲敷郡で測定をされた Mutoh_Z さんからコメントをいただいたので、書き忘れたことを付記する。
上の表に掲げた私の測定箇所は、別にサーベイメータで測ったこともある。
薄いビニールフィルム1枚挟んでほぼ地面に接する状態で150cpm、50cm以上離した状態で20〜40cpmだった。この場合も、直置きと地上1mとでは約5倍の開きとなる。
そこでもし、この場所にあるのがセシウム134と137だけであって、セシウム134と137が各1個崩壊したとすれば、比較的短い時間内にベータ粒子が2個、ガンマ線が平均3.23本出てくることとなる。
セシウム137の崩壊割合が高ければ、ベータ粒子に対するガンマ線の割合は1対1に近づくはずだし、セシウム134の崩壊割合が高ければ、ベータ粒子に対するガンマ線の割合は高くなるが、1対2.23に近づくはずだ。

ところが、ベータ線を最も多く拾って150cpm、ベータ線がほぼ届かなくなって30cpmということは、ガンマ線1に対してベータ線4と見ることができる。
もちろん、ガンマ線もエネルギーの違いよって飛ぶ距離が異なるし、ベータ線も1m以上飛ぶものもあるから簡単にはいかないが、この測定場所にセシウム134と137だけしかないとしたら、このような割合になるのはおかしい。
もっぱらベータ線を出す、あるいはアルファ線とベータ線を出す核種が存在しなければ、このような地上高に応じた変化にはならないのではないかというのが私の現段階の考えなのだが。
ベータ線核種として私もストロンチウム-90とウラン-235なども警戒していますが、直置きの場合は、セシウム-137からバリウム-137に移行する時のβ線も同時に拾ってしまいますので注意が必要な様です。(94.4%は、バリウム-137mを経由するので、同時にγ線も出て、通常の線量計はこれのみを計っている様です。)
また、SOEKS DEFENDER は、昔のSOEKS製品と違って、Co-60ではなく、Cs-137でキャリブレートされてるとWebのFAQで見た記憶があります。
セシウム137で校正ですか。そうなると、他の測定器との差をどうとらえるかが難しくなりますね。