どうも、「甲状腺が一定以上被曝」し障害が出ている地域は、ずいぶん広いようだ。
東京の子どもは言うに及ばず、青森県の児童にも甲状腺の異常が見つかっている。いちいち記録していなかったが、西日本からも甲状腺異常の情報は多い。
2014/6/25に北陸在住の方から寄せられたコメントに、「震災後,甲状腺で引っ掛かり,良性ですが毎年検査するハメになりました」とあった。
国内の読者だけではない。米国西海岸にお住まいの方は、「最近の健康診断でTSH値が30近くになり即薬の服用決定」と書いておられる。
この方が、2011/3にどこにおられたかは不明だが、コメントの記述を見る限り、福島第一原発事故当時日本におられたということではないようだ。
米国では、福島第一原発事故後米国に到達したプルームの影響で新生児に健康被害が出たと伝えられている。この情報は、その後信憑性、厳密性を問う声が出たりしてうやむやになっているが、私はそのような現象があったのだと思う。健康影響の発生を指摘すれば、推進派から圧力がかかることが必至だから、あえて火中の栗を拾う人はそれなりの根拠を持っているはずだ。
"After Fukushima, there has been an increase in deaths in the United States − This has been corroborated by findings of deaths, particularly of children younger than 1 year in British Columbia"(Published: December 22nd, 2011 at 1:04 pm ET By ENENews )
福島第一原発からの放射性物質の拡散シミュレーションはいくつかあるが、次はキプロス視覚化研究所(ニコシア)による「フクイチ・セシウム137世界拡散シュミレーション動画」から切り出した画像だ。蓄積量が分かりやすいよう色相を調整している。

これによると、朝鮮半島から沿海州、サハリン、カムチャッカ半島、さらにアラスカ、カナダ、米国へと相対的に強い汚染が広がっている。
福島第一原発事故後比較的早い時期に、カリフォルニア州で有機農業を営んでいた方が事業継続を断念したとの情報もあった。
日本に輸入されたカナダケベック産メープルシロップにわずかながら汚染が検出されたが、これは福島第一原発事故が原因との見方もある。
北米大陸の住人に甲状腺の異常が生ずることは大いにありうべきことだ。
上のシミュレーションを見ると、中国本土のほか、インドシナ半島により多く降下したと見られている。フィリッピン、ラオス、ベトナム、カンボジア、タイなどで相対的に強い被曝が生じた恐れがあり、健康障害が発生していなければよいがと強く懸念している。
日本では、西日本の汚染は低いとされているものの、沈着量が少なくても通過した大気に大量の放射性物質が含まれていることはありうるわけで、吸気被曝が大きいことはありうる。
長崎で行われたエアーサンプリングの結果では多量の放射性物質が検出されている。
それらのことや上のグローバルシミュレーションの結果から考えれば、西日本でも、北陸でも、北海道でも甲状腺異状は生じうると考えられる。
次に、吸気被曝のリスクが高かった時期を見ると、放射性ヨウ素の半減期は8日だから30日も経過すれば濃度は大きく減衰している。
次は高崎のCTBT観測所の観測結果だが、2011/3末までと4月の中旬から末までが高くなっている。3月中旬のピーク時に比べればもちろん低いものの、リスクはある。リスクのある期間は長く続いたことから、日々の吸気被曝は少なくとも期間が長ければ、被曝蓄積量は増える。

放射性ヨウ素体内取込のもう一つのルートは経口摂取。
葉物野菜については、北関東では2011/3/15から葉物野菜の濃厚汚染が始まっていた 1・2・3に書いた。
福島第一原発事故後は、牛乳の汚染も強かったはずだ。事故後牛乳を飲み続けた方は、リスクが高い。
飲用水・水道水も確かな詳しいデータがないが汚染があった。
東日本産の国産牛肉も汚染が強かった。国産牛肉のセシウム検査の検出限界は今でも25Bq/kg。国産牛肉を好んで食していた方はリスクが高い。
どうだろう、上のハイリスク要因に一つも該当しない方がおられるだろうか。一つも該当しなければご同慶の至りだが、そんな人は私に劣らず、貧しくつましく生活していた方に限られるだろう。
甲状腺異状は日本国内どこででもそして海外でも生ずる可能性があるという私の見方に納得していただけただろうか。
読者に教わった甲状腺異状の事例など
青森の子供1630人中21人に甲状腺ガンの疑い
取手市の子どもの検査結果
埼玉の方 2014/3/30のコメント
群馬の方 2014/4/18のコメント
北陸の方 2014/6/25のコメント
名古屋の方 2013/7/14のコメント
滋賀県南部の方 2014/7/1のこの記事へのコメント
三重県の方 2014/2/25のコメント
京都の方 2014/6/25のこの記事へのコメント
大阪の方 2014/3/30のコメント、2014/7/1のこの記事へのコメント
米国西海岸の方 2014/5/31のコメント
関連記事
子どもの甲状腺がんは年を追って急増する 親御さんは覚悟が必要
北極の向こうまで、チラッと動画出てます。
積算だから、欧州でもチェルノブイリで降った地域は、相当な量になる。
河内長野で何も無かった人が、TSH直後3桁とか聞くと、山脈とプルームの進入方向がわかる感じです。
風の道が良くわかります。
韓国は出てるけど、あの付近で福岡。
水道だから、山の水源だと思うけど。
雨降った所以外は、重い低層流れた核種(水酸化Csとか)は山で濾されてるので、軽いもの主体で高層物がある付近かな。
有明湾、大村湾、石垣の話と一致するので、九州地域は西の海側ですね。
動画だと少しズレがありそう。
東南アジアは医療水準の問題で、データが上がってきにくいって言ってたけど、感染症のニュース追うとだいたいわかる。
箱根から西は、吹き溜まりに関して距離は関係ない。
これがはっきり出てる地図だと思います。
東南アジア、ご指摘のように医療水準が低いので被害が出ても分からないのではないかと心配です。申し訳ないことをしたものです。
女性のほうが敏感なのかもしれません。お大事になさってください。
私の家の近辺では「チェルノブイリの赤い森」のような状態が徐々に強くなってきました。白斑のある鳥や、奇形の植物もよく見かけます。
福島はどれほどの惨状だろうかと胸が痛みます。
甲状腺炎の状態はいかがですか、悪化しないように願っています。姪御さんも早く手術を受けて回復されるよう祈ります。
鈴鹿山脈の谷あいをプルームが流れたようですね。名古屋市、四日市市、伊賀市の辺りを通って奈良、大阪南部、和歌山に流れたように見えます。そして降雨があれば、野菜にも汚染が及んだのではないでしょうか。そのように考えれば、林の立ち枯れや奇形も納得できます。
「福島はどれほどの惨状だろうかと」のお気持ちはよく理解できます。それなのにHappyと踊っている・・・。時間の経過とともに悪い方向に動いているようで、ふがいなさに身の置き所がありません。
土壌調査の事例が少ないのですが、場所によってはそれなりの汚染があると考えておいてほうがよいと思います。
毎日、貴重な情報を発信いただき、ありがとうございます。 このブログに『鈴鹿山脈の谷あいをプルームが流れたよう』とありますが、そのソースをお教え下さいませんか。 昨年の夏、異常な蝉(翅が異常)を庭で一匹見かけました。 すぐ死にましたけど。 こんな事は、当地に長らく住んでいて初めて経験する事で嫌な予感がしていました。
2014年05月04日付けで燻製材メーカーの事を報告しました。 最も、そのメーカーの商品は主に個人のBBQに使われるケースが多いようですが、業務用に日本国内のハム、ソーセージメーカーへ燻製材を供給しているのが群馬県沼田市(沼田市の線量http://hakatte.jp/report/?pref=10&gc=4)にある燻製材メーカーです。 シェアーは国内市場の80%と聞きました。 自宅の畑にある胡桃の枝を燻製材として保管していましたが「鈴鹿山脈の谷あい・・・」を拝見して燻製作り諦めました。
余談ですが、ガイガーカウンターのスイッチを入れたまま、蚊取り線香を焚いたところ0.21μSv/hとなり驚きました。 通常、0.09μSv/h前後なんですけど・・・
中部から西日本でも甲状腺障害などが発生する可能性
http://inventsolitude.sblo.jp/article/88308368.html
中部から西日本でも甲状腺障害などが発生する可能性 2
http://inventsolitude.sblo.jp/article/88456995.html
中部地方でも健康被害が出ているのか
http://inventsolitude.sblo.jp/article/87275731.html
今日の放射能備忘録 67の次の部分。
※ 読者に教えてもらったあるサイトに、三重県四日市市内の空間線量率などの測定例が出ていた。
蚊取り線香もヨモギや杉の葉が使われていれば普通の線香と同じですね。
早速、ソースをお教えいただきありがとうございます。