2021/1/8の千葉県の感染者一覧表の公表が真夜中になりました。調査中の欄が多くなっています。感染者累積数の増加により13,350行のファイルになっています。
PDFファイルダウンロード → EXCELファイルに変換 → ACCESSファイルに変換 → 必要なデータのみを取り出してEXCELファイルにコピー → グラフ化 の手順を踏んでいます。ですから行政の提供資料が使いやすい形態かどうかはその後の作業量を大きく左右するのです。
千葉県の表には確定日の表示が月日のみで年次がないためにEXCELファイルに変換して計算するときに年月日に直しますが、2020年と2021年が混在して出てくる今の時期はとても厄介です。
それでも2021/1/8夜発表分のデータを取り込みました。
2020/11/7から1/7までの新規感染者7日移動平均と近似曲線


対象期間の取り方によりますが、この期間に関して言えば、指数関数よりも多項式のほうが当てはまりが良いです。
勝負の3週間とされたのは、11/25〜12/15です。このグラフで見ると、12/7頃にいったん落ち込みが見られます。横軸の31辺り。ですが、その後の増加傾向が急になっており、この勝負の3週間にテイクオフが起きています。勝負に完敗したのです。
集団感染事例などを観察しているとこのころからもうどこにも感染者がいて、どの介護施設でも保育園でも集団感染が起きておかしくない状況になっていました。これらの施設の従事者に感染が広がり、感染した従事者が無症状のまま、あるいは体調の異常を感じながらも職場に出ることにより、同僚にあるいは入居者に感染を広げるという形になっています。
注目されるのは、介護施設や保育園の集団感染の発端になっているみられる職員には、中年の女性職員が多いことです。彼らがそれほど飲み屋を使っているとは見えません。行政は飲み屋を悪者にしていますが、それは東京に偏った判断ではないでしょうか。
感染経路は多様化しています。
介護施設や保育園は数えきれないほどにありますから、集団感染発生の場には事欠きません。学校もあります。
市民の間に感染者が増え、集団発生が珍しくなくなったころから感染者の増加が急カーブで増え始めたのです。
なぜ市民の間で感染者が増えたのか。多少マスク着用などの対策をとっても従来通りの生活を続けていれば、感染拡大は避けられない。空気感染が主の新コロナウィルスについてはそうならざるを得ない。そして感染拡大の素地のある社会生活が続く間、感染者は増えていくということだろうと思います。
そもそも保健所はマスクをしていれば濃厚接触者には当たらないとの扱いをしており、PCR検査もしません。マスクだけで完全に感染を回避できるなどということはありません。
ハンバーガー店で従業員5人が同時期に感染した例があります。営業形態からして昼時の休憩室での感染ではありません。マスクをして営業中に従業員の間で感染が広まった。そうであれば、客には感染が広まっていないということはないでしょう。
コーヒーショップでトイレを使うために1階から2階へ上がった人が、トイレの近くでスマホで話していた感染者から伝染したとみられる事例もあります。
そして、一般の物販やサービスなどの店舗の従業員の感染が発覚して企業から開示される例が増えています。業種を問わずに増えています。
すでに日本の社会には新コロナウィルスがしっかりと根付いており、検査をしないからわからないだけで、まさに至る所に感染者という状況です。
地方都市は感染者の密度は低くてもある程度同じ状況になっています。そのため、大都市と地方都市で時期を同じくして過去最高の感染者が発生するのだと考えられます。
第2次の非常事態宣言が出ましたが、期間としては1か月と長くそれなりの効果が期待できます。
しかし、日中の飲食店営業には制約がありませんし、物販やサービス窓口については何らの改善措置も予定されていないようです。カウンターを挟んで何十分も話すことの多い携帯電話ショップで従業員の感染者発覚が続いています。彼らが勤務先で感染したか、それともよそで感染したのかは不明です。
飲酒の場で感染しているのは若い世代です。知人などから聞くところでは、40代になると警戒を強めている人が多いようです。被ばく問題でもそうでしたが、管理職になるような年代になると組織内での情報も入り、被害実態を知ることも多くなります。
家族を養う責任感も強まり、自らも感染防止に気を遣うのだと思います。これらの方が感染するのは、飲酒の場よりも通勤時や会社内の執務時さらには取引先などとの面談ではないでしょうか。
第一次の緊急事態宣言で自宅勤務の導入を図った企業も次第に出勤を求めるところが増えてきていると聞きます。勝負の3週間のころは最も緩んでいた頃です。
今回の緊急事態宣言の一番の問題は、学校関係で休校などの措置が取られないことです。イスラエルでは、9月に学校が始まってから感染が急拡大し、ロックダウンなどの措置を取らざるを得ませんでした。
新コロナウィルスの変異株は、英国で発見されたものも南アで発見されたものも年少者に感染しやすいとされています。変異株は日本にも入っていることは確実です。
第二次緊急事態宣言がなくて現在のトレンドのまま推移していた場合、2021/2/7にはどの辺まで増えていたでしょう。2次近似曲線の近似式を用いて横軸の63から94までグラフのラインを引き延ばします。

破線は推定値部分を含めた新しい近似曲線です。
2/7には700人近い新規感染者が出ていたと見積もられます。1/8発表は455人ですから約5割増です。
1/8から2/7までの累積新規感染者推計値は約15,500人。
1/8発表による千葉県の累積感染者は13,353人ですから、これが倍になっていたかもしれないということになります。
1/8発表の数値による10万人当たり感染者数は、千葉が213.5人、東京が515.0人、神奈川が279.2人。千葉が倍になっても東京には及ばない。東京のこのところの伸びが大きいからです。
東京はまさに指数関数的な伸びを示しています。
これまで以上の感染防止策を講じないと感染は防げないのだろうと感じています。行政主導の対策が不足なら自分でそれを補わなければなりません。