ずくなしの冷や水

2018年05月05日

窓からばあさんに手を振ってもらった日

2018/5/5は、天気が良く風も少ないので徘徊に出ました。半袖はまだ早い。ぼろを探して、ホームセンターで見つけた作業員などが着る厚めの綿のシャツを着ました。何年も着ていなかったものです。色が色なので。

船橋市内の住宅街を歩きます。ある地域で昨夏見かけたキングサリの花を見たかったのです。

人通りの少ない道を選んで歩いていると、道から5mほど離れたアパートのような建物の窓からおばあさんが手を振ってくれています。ええっ、私?! 私でなくてもいいやと手を振り返しました。そしたら、隣の部屋のおばあさんも手を振ってくれます。右手に加えて左手も振りました。

市会議員ならこれで2票と皮算用したでしょう。

何で私に? 市会議員の選挙運動に見えた? それとも目立つ色のシャツを着た何かの祭りかパレードの参加者? 体形はゆるキャラにそっくり・・・。

連れが、こんなに天気が良いのに何で窓から外を見ているんだろう。外に出てくればいいのにと言います。

「あのなあ、俺のように徘徊に出ても夕方になればちゃんと家に帰ってくるようなボケ老人は初心者中の初心者なの! 中級者、上級者になると夜になっても帰ってこないんだよ。施設がそういう人たちを自由に外に出すわけがないだろう?」



車両通行量の多い道路を避けて住宅街の昔からの生活道路を歩きます。脇道の奥に学校が見えます。これまでの経験からすると、古くからある学校はだいたい行き止まりにはなっておらず、いくつものアクセス歩道があります。

抜けられるかなぁ? 連れに話していると、通りかかったご婦人が足を止めて脇に細い道が通じていると教えてくれます。上品の感じの方で、リュックを背負っていました。

その方は学校の隣にある介護施設に行ってきたところだと。ご主人が入居しているようです。

「私は、ボケ防止と体力維持のためにこうやって歩いて回っています。奥様は、ご主人のところによく見えているんですね。ご立派ですよ。桜や紅葉の紅葉がきれいな介護施設を通ることもありますが、家族が訪れて一緒に花や紅葉を楽しんでいるような光景は見たことがありません」
「行くたびにいつもなにやかにやと文句が多くて」
「施設に言えないこともいろいろおありでしょうから、奥様に聞いてもらうだけですっきりするんでしょう。そういう精神活動が活発なうちはボケませんから」
「頭はしっかりしているんだけど」とやはり寂しさが伝わってきます。



歩き続けますが、目当ての住宅地にはなかなか近づきません。徒歩でも最短時間で目的地に行くには幹線道路を行くのが一番なのですが、空気も悪いし、それに楽しくないのです。

時間の都合もあり、途中1駅だけ電車を使いました。バギーを押して乗った若い母親が赤ん坊を抱きあげます。身体は小さいけれど首が座っていますから3か月でしょうか。

女の子かと思ったら男の子でした。赤ちゃんの性別は分かりません。でも、かわいいねぇと言いながら、男の子と聞いて女の子だったら少し気づまりですから、いつも女の子?と聞いています。

「これから暑くなって大変だけど頑張ってください」

電車を降りて、目的の住宅街に着き、家並みを一軒ずつ確認していきます。ありました。何とか花期に間に合いました。



昨年夏に花の終わったこの木を見つけたときは、花の時期に訪れるかは分からないと書きましたが、間違いなかったので鼻を高くしました。

ですが、事件はこの後起きたのです。

今日の徘徊の目的を達して駅に向かって歩きます。しかし、この辺の道路は入り組んでいて踏切を渡ることもあり途中で方向感覚に自信がなくなりました。5/1にもとんでもない方向に歩いていて驚いたところです。

どなたかに道を聞こうとしますが、自転車でびゅんびゅん走っていくため尋ねることができません。しばらくして若い女性が通りかかりました。

「○〇駅の方向はどっちですか?」
「向こうに踏切が見えますが、あそこを渡って少し行くと道が分かれていますから・・・。私も○〇駅に行きますから一緒に行きましょう」
一緒に歩き出します。怪しいものではないと言いたくてなぜこんなところをうろついているのか説明します。
「今、〇○小学校から帰ってきたところなんです。あの近くにキングサリというきれいな花をつける木があるのでそれを見てきたところです」
「私、〇○小学校に通っています」
驚いて彼女の顔を見ます。私のほうが少し背が高く彼女の体つきも見えています。
「先生をしておられるの?」
「6年生です」
えーっ!!と大きな声が出てしまいました。

少し歩くと踏切も分かり、大体の位置も認識できましたので足の速い彼女に先に行ってもらいます。後からヨタヨタと行くと、信号のところで追いつきました。そこから駅の改札まで話ながら一緒に歩きました。

これから運動施設に行くことなどを話してくれました。私にどこへ帰るのかと聞きます。私が驚きを隠さなかったことに特に気分を害してはおられないようでした。若い人はそうなんですね。

「オリンピック目指して頑張ってね。
外国にいたとき、幼かった子供たちと一緒にスキーをしていると現地の人が『オリンピック目指して頑張れ』と声をかけてくれましたよ。気持ちは大きい方がいい。
それにあなたのやっている運動は、ホコリを吸い込むこともない運動だからとても良いです」

ちなみに今日着ていたシャツの色はピンクです。若い人から老人まで女性の反応がこんなに違うとは思いませんでした。マスクにぼろい野球帽でした。

まあ、一番上の木ほどの色彩とボリュームがあったことは確かですが。



posted by ZUKUNASHI at 20:31| Comment(0) | 日記

木々と知り合う キングサリ

エンジュの仲間だろうが、3出複葉だ。花は黄色で目立つ。2011/5/18撮影。



ヨーロッパ中南部原産でゴールデンチェーンとも呼ばれる。キバナフジ,キンレンカ。



2011/6/26、民家の庭先で撮影。2階のベランダに届く大きな木だ。花期には美しかっただろう。
明年、見に行ってみよう。







posted by ZUKUNASHI at 17:52| Comment(0) | 木々と知り合う