ずくなしの冷や水

2017年06月03日

日本に住むなら一人に1台ガスマスク

データの出典は過去の記事にあります。

環境庁大気汚染測定用ろ紙のセシウム濃度測定結果から 単位Bq/m3 茨城県のデータはごく一部、栃木県、群馬県なし。




福島第一原発事故、東海第二原発事故の際には、原則的に都道府県に一つしか空間線量率のモニタリングポストがなく、複数配置されていた東海第二原発周辺のモニタリングポストは測定値が消されています。

このため、これらの事故直後の空間線量率や大気中の放射性物質
濃度に関するデータが決定的に不足しています。

環境庁が事後的に大気汚染測定用ろ紙に残った粉塵からセシウムを測定しましたが、県によってはこのデータも得られていません。

このため、現在管理人が着目しているのはSPM濃度ですが、これも福島県内の多くのステーションでは2011/3/12以降の欠測、データなしが多くなっています。よほど高かったんだろうと推測されます。

SPM(浮遊粒子状物質)は、径が10μm以下の浮遊塵です。原発などから放出された直後は、まだ化学反応を起していませんから粒径は小さく、その後大気中を浮遊する間に水酸化物に変わったり、他の粒子と結合したりしても粒径が大きくなると推定されます。

当初ガス状であったものは、崩壊が進むにつれ他の物質に変わったりして粒子状になっていくと考えられます。

このため、SPM濃度は大気中の放射性物質濃度を示すものではありません。

一方、今私達が利用可能なデータはほとんどがガンマ線源に関するものです。原発から放出された放射性物質は、ガンマ線源もあればベータ線源、アルファ線源もあります。SPM濃度を調べることにより、ガンマ線源でない浮遊粒子状物質の変化を推定できる可能性もあります。

この考えは、東海第二原発周辺の測定ステーションのSPM濃度の変化を見ることで有効性が分りました。

東海第二原発から放出された放射性物質はガス状のものが主体と想定され、それらは半減期の短いものが多いために大気中を飛ぶ間にガンマ線は大きく減衰しますが、その後に残ったものはガンマ線は出さなくてもベータ線を出すものがあります。これも身体にはもちろん有害です。

管理人は、2011/3/21に東葛(とおそらく栃木県下)にセシウム濃厚汚染をもたらしたプルーム第七波の前日に襲来したプルーム第六波がこれまで考えられていたよりも吸気被爆の面では危険だったのではないかと思い直しています。

契機となったのは次のグラフです。富士吉田市で2011/3/20の午後150μg/m3を記録しています。


2011/3/20の午後関東を襲ったプルーム第六波については、ろ紙のセシウム濃度から次のような分布であったことが分かっています。

セシウム濃度は高くないのですが、この図に載せた地域以外にも広がっていたらしいとの疑いを強めていました。町田市などでも2011/3/20の夜にセシウム濃度が少し高くなっていたからです。冒頭のグラフのS3になります。

そこに富士山北側の山ろくに位置する富士吉田市での飛び抜けたSPM濃度です。この第六波は、高空を高い濃度を保ちつつ関東全域、さらには東日本の多くの地域へ拡散したことが確実になりました。

プルーム第六波については、銚子の少し北辺りから上陸し、利根川沿いに流れて栃木県に向ったと考えていました。これは栃木県下のSPM濃度からも気象研究所のシミュレーションからも確認できます。




このプルームは、その後福島県を通り抜け、山形県、秋田県、岩手県と流れています。



会津若松でも


このプルームによるガンマ線源の濃厚汚染はあまり生じていません。米国による土壌調査結果から、面積当りの全アルファを市町村別に階層区分して地図に落とすと次のようになります。

この時に生じたのは、ベータ線源、アルファ線源による汚染です。

2017年01月28日
2011/3/20(日)の午後 北関東の屋外におられた方はご注意を

今回、このプルームが南西方向にも流れていたことが判明しましたが、それがさらにどちらに流れたのか、そしてどのような汚染、内部被爆をもたらしたのかについては、さらに調べないと分かりません。

次は、2011/3/20 12時から24時間について、古河市の大気観測ステーションのデータから、ろ紙のセシウム濃度とSPM濃度を取り出したものですが、短期間については相互の関係はよく分かりません。もともとこのプルームについては、セシウムよりも他の放射性物質が多かったらしいということも影響しているかも知れません。




次は、取手市のステーションについて、2011/3/20から3/21の ろ紙のセシウム濃度とSPM濃度を図示したものです。セシウムが多かったことは間違いありませんが、この図が示すのはヨウ素はもちろん、ベータ線源、アルファ線源であるウラン系列の放射性物質など様々なものが含まれていたことを示すと理解すべきなのかも知れません。




原発に事故があったとき、それが放出する放射性物質の量、種類、性状、形状、濃度、方向、高度は刻々と変わります。

それを把握してそれぞれに対応することなどできるわけがないのです。唯一、普遍性のある対策を上げれば、毒ガス用のマスクを常に手元に置いておくことです。
posted by ZUKUNASHI at 17:28| Comment(0) | 福島原発事故